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ジュビロ磐田に完敗、早くも降格圏へ。チャン ヒョンス主将は「地獄を見た」~長谷川健太監督、前田遼一、東慶悟【J1第3節】

3月10日、FC東京はヤマハスタジアムでJ1第3節に臨み、いいところなくホームのジュビロ磐田を相手に2-0で敗れた。あまりいい印象のない過去のシーズンでも、2006年は開幕戦勝利のあと2連敗、2001年は東京スタジアムのこけら落としとなった開幕初戦のダービーマッチを延長戦の勝利で飾ったあとに3連敗と、一度は勝っている。1分け2敗は過去最悪のペースと言っていい。試合後、東京ゴール裏はブーイングをすることなく励ましていたが、それがいっそうチームの苦境を浮かび上がらせた。
チーム最多のシュート3本を放った前田遼一に、前半29分、髙萩洋次郎のスルーパスに反応し、いわゆる“裏街道”によってひとりで抜け出したシーンは惜しかったが──と声をかけると、答えは「相手も(大井)健太郎ともうひとりしかいなかったので勝負しようと思ったんですけど、アダイウトンに帰ってこられてきてしまった。でも、ああいう仕掛けるシーンを増やせたらな、と思いますけどね」。前節も髙萩から大森晃太郎へと一度決定的なスルーパスが通ったが、一試合に一度ではいかにも厳しい。継続してチームの基礎を固めていく時期であることはわかる。しかし互いを信頼し、現状のサッカーを継続して追求しつづけるだけでなく、どうすれば得点できるのか、もっとボールを動かして主導権を握るすべはないのか、具体的な分析も必要だ。ファイナルタッチを担当するフォワードの声をすくい上げれば、改善の一助になりうる。
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チームを代表して試合を総括したキャプテンのチャン ヒョンスは「試合のことをなんと言おうかと考えると迷うのですが、きょうの試合に関しては、自分たちは“地獄を見たな”と。その地獄をどうやって打開しようかと、いま考えが頭のなかをめぐっています」と、現状の深刻さを詩的な文語であらわし、しばしの忍耐と苦境からの脱出を誓った(※なお、ヒョンスは終始、落ち着いた表情と口調で取材に応じていた。この言葉にも、深い世界観に基づき、乗り越えようとする試練を喩えるニュアンスが漂っていた)。
過去、長谷川健太監督の指揮で三冠を達成した2014シーズンのガンバ大阪も、17位でワールドカップブラジル大会開催に伴う中断期間を迎えている。序盤の負けは後々挽回できるという考えもあるだろう。とはいえ前述のとおり、ただ現状のサッカーを継続していいという状況ではない。ヒョンスもそこはわかっているようだ。
「いつ悪い状況、トラウマから抜け出すか、そこに自分たちは危機感を持たなくてはいけない。自分も変われると信じていますし、

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