攻撃意欲に進歩が見られた国頭キャンプ。あす22日のvs.長崎戦で最初の仕上げ【1次キャンプレポート】

前線の中核となりつつある前田遼一。

左から太田宏介、小川諒也、ディエゴ オリヴェイラ、チャン ヒョンス、リッピ ヴェローゾ。ディフェンダーも積極的に、全体練習終了後のシュート練習に参加した。
2017シーズン、FC東京が挙げた得点はわずかに37。攻撃の改善を明言した長谷川健太監督は、東京の選手たちに自身で点を獲ろうとする意欲が足りない点を指摘していたが、どうやら早くも変化があらわれつつあるようだ。選手たちは積極的にゴール前に顔を出し、シュートを撃っている。以前からそうだった大森晃太郎のみならず、シュートを撃つ前の躊躇も薄れてきている。長谷川監督は言う。
「そうですね。だいぶ変化が見られます。ただ、これもやりつづけていかないと進化しないと思いますので、ひとつずつしっかりと。あした(22日。V・ファーレン長崎との)トレーニングマッチがありますが、そういう(実戦の)なかでどうなのかというところを見ながら、またトレーニングに取り組んでいきたいと思います」
長崎との練習試合で複数の組み合わせを確かめつつ、暫定的なメンバーを決めていくことになりそうだ。守備陣に比べるとどうなるかが読みにくい前線では前田遼一と富樫敬真、ディエゴ オリヴェイラと久保建英などのコンビが試されている。得意とするものがそれぞれにあり、能力の比較だけでなく機能性も考慮しなくてはならないため、やはり実戦での検証が必要となる。しかしゴールキーパーとディフェンスラインが現時点で強固なのかといえば、そう楽観したものでもない。守備陣について訊ねると、長谷川監督は次のように答えた。
「どんなやり方で守るかと統一されていればよいのですが、いままでは個の力でやっていたところがあると思うので、チーム全体、またディフェンスラインのユニットでしっかりと動けるように、引きつづきトレーニングをしていきたいと考えています」
清水エスパルスからガンバ大阪の監督となったときも守備を再構築してチームを浮上させただけに、組織の整備に期待したいところだ。
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全体練習の時間は短め。短時間の集中と強度を求めている。「清水のときもガンバのときもそうでしたけれども、だらだらとやるのが好きではないので、短い時間のなかでどれだけクオリティを上げていけるかということを選手に求めています」、と長谷川監督。そして「基本的には素走りをせずに、ボールを使いながらフィジカルを上げていきます。スプリントもありますが、そういうかたちで大阪でも4年間取り組んできましたので、東京でもそのようにやっていきたい」とも。“ケンタ流”がもたらす変身の初期段階が対外試合でどう表現されるのか、あす22日のvs.長崎戦が重要な試金石となる。
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