【有料記事】戦術コラム◆vs.神戸戦決勝ゴールの秘密と後半優位に立った理由、戦術変更の妙、現状の問題点、そして東京の戦い方と中島翔哉&久保建英の話題との関係(2017/08/16)
慰留できなかった場合、今月中に欧州移籍となりそうな中島翔哉。彼の後釜と目されている久保建英は、15日のミニゲームでは室屋成のクロスをダイレクトでゴールに叩き込み、その日の全体練習をフィニッシュさせて、クオリティの高さを見せつけている。
いかに久保が逸材とはいえ、トップチームの攻撃を牽引している中島と比較できるのかと疑問に思うむきもあるだろう。しかし年初に比べてまた少し身長が伸びスピードとパワーが増した現在の久保は、もはやちいさく弱々しい少年と捉えることはできなくなっている。味スタの前線に立つのもありえない話ではない。
篠田東京の戦い方が定まってきたことも、久保のトップチーム起用を成立させやすくしている一因と言えそうだ。激しい上下動が求められる3-1-4-2採用以降の戦い方は、ルヴァンカッププレーオフステージ第2戦vs.サンフレッチェ広島戦を見てもわかるように、頑健な若手選手向き。だが、彼らだけですべての試合を戦えるわけではなく、一試合ごとにメンバーが替わり、年かさの選手が多い場合はそれなりのアレンジをしながら戦っているのが現状だ。そして、その過程で見えてきているものもある。
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J1第22節vs.ヴィッセル神戸戦の決勝点は、大久保嘉人のパスを右で受けた室屋が中央に折り返し、ピーター ウタカが決めたものだった。このコンビネーションを指して大久保は「あれがサッカーよ」と、ひとこと。
前節の大久保は、フォワードではあるが、トップ下辺りのスペースに下がってゲームをつくっていた。
「あそこ(前線中央)ですごく受けられるから。あそこに入ってくれば、何かが生まれるんですよ。あそこに入らず、サイド、サイドとなると、何も生まれなくなる。(チャン)ヒョンスも入ってきて、あそこに入れられるようになってきたのは大きい。ヒョンスはフィードもできるし。マル(丸山祐市)もできるけど、ヒョンスはより意識が強い」
ほかの選手があのウタカのゴールに於ける大久保のようなパスを出し、大久保がウタカとともにフィニッシュに加われるようになれば、より点を獲りやすくなるだろう。
ところで、大久保は気になることを言っていた。
「あの(決勝点の)場面で、おれ以外の選手だったら止まってうしろに返す」
じつはこの現象はゴール前だけでなく、東京のサッカー全般に当てはまる。
たとえば
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