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【有料記事】ルヴァンカッププレーオフステージ第2戦Preview◆山田将之との問答から予想する東京の3バック/コメント◆徳永悠平、丸山祐市(2017/07/25)

3-1-4-2で臨む場合の想定を尽くしていた山田将之。

ドイツ遠征を経て導き出された答えは3-1-4-2。3-4-2-1から4-2-3-1または4-4-2へと舵を切ったサンフレッチェ広島とは反対のフォーメーション変更となったが、FC東京の3バックはまさしく“三本の矢”の逸話どおり、結束して立ち向かわなければならない。
あす7月26日のルヴァンカッププレーオフステージ第2戦、広島はフェリペ シウバ、アンデルソン ロペスなど個の力を持つブラジル人選手を前面に押し出してくる可能性もある。皆川佑介を含めセンターフォワードに誰が入るかはわかりにくいが、3バック時にアウトサイドだった選手たちがサイドハーフなど前めのポジションに配置されるとするなら、おそらく攻撃的なプレーを志向するはず。この強力なアタッカー陣をいかに抑えるか。

丸山祐市を中央に、徳永悠平を右に、左はピーク時のパフォーマンスが高い岡崎慎か、安定の山田将之か。丸山も「リベロというより、うしろは一人ひとりが掴みに行く。余っているという感じではないのかな、と」と言っていたが、最後は対人で直接相手を封じることになるのではないか。

“三銃士”のなかでいちばん最後にミックスゾーンへと姿をあらわした山田に「最終ラインが3人になって、あの3バックはしっかり守るという意識なんですか?」と訊ねると、彼はやんわりと否定した。
「前線(2トップ)からのスタートが守備の起点というかスイッチ。3人がどうこうというより、そのスイッチによって3人がアクションを起こすもので、全体の連動やコミュニケーションが必要だと思います。全体で守る感じです」

篠田善之監督が掲げる原則は前からプレッシャーをかけること。それに山田の言葉をかけ合わせ、最終ラインがひとり多く中盤にアンカーが存在する3-1-4-2の特性を考慮すると、ミッドフィールダーもディフェンダーも思いきって前方向の守備ができるようになり、うまくいけばプレス合戦に持ち込んで五分以上の試合になるのではないかと予想できる。

ただ連動しきらず、3バックの前に隙ができた場合にどうするかという懸念は残る。このケースについて訊くと、山田は既にイメージをつくっていた。
「そこ(前からの守備が成立しないケース)は90分のなかでは絶対あると思うので、思いきって一度全体を下げることになると思います。ゴール前を守ることができればいいので、割りきって。そこで(うまく連動できないことに)苛々してストレスを溜めてしまうとよくないと思う。うまくいかないことを想定したうえで一試合やり通せたらいいと思います」
右で守る徳永も「決まっているんですけど、それでもズレることはある」と覚悟していた。対処をまちがわず、耐え抜くことができるかどうかは失点を回避するうえで重要になりそうだ。

また3バックの左右はウイングバックの動きに付随し、つるべの動きで前に行くことも求められるだろう。この点も山田は予想していた。
「そうですね、ほんとうに、うしろでの守備だけでなく攻撃にも関われると思います。そのコミュニケーションもとっていますし、ぼくも攻撃に参加したときはいいイメージを持っています。そこは積極的にやっていきたい」

3バックを採用するチームではウイングバックがウイングのように極端に高い位置をとることも多い。それはかつての広島や、今シーズンのジェフ千葉に於ける北爪健吾のプレーぶりを見ればあきらかだ。高い位置をとった場合の攻撃上のメリットはもちろんあるし、それでこそ小川諒也のような選手が活きる目も出て来る。
「3枚のフォーメーションのときのポイントは、

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