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【オフ企画/無料記事】生地慶充、絶賛参戦中(2017/06/08)

J3第9節のvs.グルージャ盛岡戦から内容が好転しているFC東京U-23。第11節では同じセカンドチーム同士の対決でガンバ大阪U-23を下して勝利を収めたが、好調を支えるひとりが生地慶充であることに異論はないだろう。昨年までFC東京U-18、現在は筑波大学に在籍しているが、2種登録選手から特別指定選手に立場を変え、再びFC東京U-23に参戦する次第となった。
トップチーム、FC東京U-23、FC東京U-18それぞれの日程が重なり、傷病や日本代表招集などで離脱者が増えると、J3の台所事情が非常に厳しくなる。生地は浦和学院高校の田中和樹とともに、絶妙なタイミングで“補強”獲得されたことになる。
田中も短い時間ながら途中出場で小気味いいプレーを見せて終盤の運動量を補っているが、生地の運動量とボールを支配して動かす技術もスターターとして前半キックオフから数十分間ゲームを成り立たせる役に立っていることはあきらかだ。

それだけでなく生地は脅威にもなりうる。
第10節のvs.ギラヴァンツ北九州戦では、後半11分、FC東京U-18の小林幹からのパス(これもふたりに前方を塞がれながら通したもので見事だった)をペナルティボックス内に走り込んで受けると、対峙するディフェンダーを大きな切り返しで振り切り、右足シュートを撃った。これは残念ながらゴールキーパーにコースを変えられ防がれてしまったが、プロを相手に決定機をつくったことは事実だ。切り返し、キックフェイントは生地の得意技。この場面を小平で他の記者と観ながら「生地らしいよね~」と語り合ってしまったが、そのくらい東京のファン、関係者にとっては既知のプレーであっても、スカウティングが追いつかないJ3のチームにとっては未知の挙動だったのだろう。北九州の選手は完全に裏をかかれていた。しかしあれだけキレのよさがあれば、対策されていたとしても通用するかもしれない。いいプレーだった。

この場面について、6月3日の第11節終了後に生地に訊ねると、次のような答えが返ってきた。
「キックフェイントだったり切り返しというのは自分の特長でもありますけど、相手が研究してきたらある程度わかると思うので、もっとほかの部分で、より切り返しを活かせるような武器を身につけることが求められると思います」
――仕掛けて決定機をものにするところの質を研ぎすませていきたい?
「そうですね、自分の課題は、ゴールを獲ることだったり、ゴールにつながるプレーをもっとやっていくことだと思います。そのなかの手段のひとつとして、得意の切り返しやキックフェイントがあると思う。そのレベルを上げて、ゴールにつながるプレーを成長させていきたいですね」

FC東京U-23は昨年の安間貴義監督時代から個を高めて上をめざすチームとして確立、個人の仕掛けを推奨してきた。思いきりのよさ、個の追求が、チームの成長と合致するからこそ、生地の成長もFC東京U-23のチーム力強化に結びつくものとなっているのかもしれない。
本人の言葉からも、試合を重ねるごとに、そういう化学反応があらわれてきているとの感触が伝わってくる。
「最初、戻ってきた盛岡(第9節)のときは、自分のなかでも“なじめていないな”という違和感みたいなものがちょっとあったんですけど、北九州のとき(第10節)やきょう(第11節)は、もっとやらないといけない部分はあると思いますが、チームの一員として戻れてきたと感じています」

気になる今後だが、「大学との兼ね合いによりますけれども、こちら(FC東京U-23)に来れる状況のときは来ることになると思います」とのこと。昨年もU-18とU-23でフル回転した男が、頼もしい味方として加わった。

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『青赤20倍!トーキョーたっぷり蹴球マガジン』は、長年FC東京の取材を継続しているフリーライター後藤勝が編集し、FC東京を中心としたサッカーの「いま」をお伝えするウェブマガジンです。コロナ禍にあっても他媒体とはひと味ちがう質と量を追い求め、情報をお届けします。

 

 

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◎後藤勝(ごとう・まさる)
東京都出身のライター兼編集者。FC東京を中心に日本サッカーの現在を追う。サカつくとリアルサッカーの雑誌だった『サッカルチョ』そして半田雄一さん編集長時代の『サッカー批評』でサッカーライターとしてのキャリアを始め、現在はさまざまな媒体に寄稿。著書に、2004年までのFC東京をファンと記者双方の視点で追った観戦記ルポ『トーキョーワッショイ!プレミアム』(双葉社)、佐川急便東京SCなどの東京社会人サッカー的なホームタウン分割を意識した近未来SFエンタテインメント小説『エンダーズ・デッドリードライヴ』(カンゼン)がある。2011年にメールマガジンとして『トーキョーワッショイ!MM』を開始したのち、2012年秋にタグマへ移行し『トーキョーワッショイ!プレミアム』に装いをあらためウェブマガジンとして再スタートを切った。

 

■J論でのインタビュー
「ライターと編集者。”二足の草鞋”を履くことになった動機とは?」後藤勝/前編【オレたちのライター道】

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