【有料記事】【新東京書簡】第十六信『顔の見えない人を思い浮かべる』海江田(2017/4/5)

中盤の要となっている内田達也。見なきゃ損だよ。
第十六信『顔の見えない人を思い浮かべる』
■内田達也はずっとすごい
たまには代表のことを書きたいなと思ったんですよ。せっかく、こういうテーマが自由の横断型コラムをやってるわけだし、外の世界に視線を向けないと広がりが出てこなくてつまんないなと。
3月23日のUAE戦、28日のタイ戦ともに、試合は楽しく観た。久保裕也の活躍は強烈だったね。代表絡みで書こうと思えば書けなくはないんだけど、いまいち全体の印象が散漫で気乗りしない。
というのも、ヴェルディが絶好調なんだ。3月は4戦4勝。4月2日のファジアーノ岡山戦で5連勝まで伸ばし、首位に躍り出た。開幕6試合で9得点。失点はわずか1。ロティーナ監督の采配が冴えわたっている。代表戦が上の空にもなるってもんでしょう。
ちょっと、内田達也のことを語らせておくれよ。今季、ガンバ大阪から期限付き移籍で加入した内田。年代別代表の中心選手だったから、存在はわりと知られている。そのへんはおれも大差なく、詳しいことは知らなかった。ポジションは中盤の底とセンターバックの両方をこなし、いまのところ前者で起用されている。
で、実際そのプレーを目の当たりにして、びっくりしたね。互角の状態で競り合い、ゴリッと身体を入れてボールを取っちゃう。一体、あの強さはなんだ。単なるパワータイプではなく、力を一点に集中させる巧妙さがある。その証拠にファールになることはほとんどない。レフェリーの目からも、正当なチャージで競り合いを制したように見えるのだろう。青赤者には、今野泰幸のスタイルに近い守備巧者といえばわかりやすいかな。いてほしい場所にいてくれて、インターセプトも上手。
そのうえ、小技もあって攻撃にじゃんじゃん絡む。周りがへばっているとき、おれに任せとけと前に出ていく。1試合、2試合ならハイパフォーマンスを示す選手はいるが、内田はずっとすごいんだ。コンスタントに活躍し、アベレージが異様に高い。ザ・センターハーフだね。まだリーグ序盤なのに、すでに見慣れてきているのが空恐ろしくさえなる。
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