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【有料記事】思わぬところでめぐってきた「永井out、平岡in」その機会に無心で走った平岡翼(2017/02/14)

2月2日、小平での平岡翼。

2月2日、小平での平岡翼。

2月9日に横浜F・マリノスと戦った練習試合で、前半20分にアクシデントが起きた。相手選手との接触で、右サイドハーフの永井謙佑が傷んだのだ。さいわいなことに軽度の打撲だったが、大事をとって下がり、交替で前半24分に平岡翼が入った。

その光景を見て「うわ、もう実現しちゃったのか……」と思ったのは、遡ること、一週間前、小平で以下の問答があったからだ。
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――極端に速い永井選手を起用しているからこそ、じゃあ同タイプの平岡選手を同じポジションで使おう、という機会もあると思うんですよね。
平岡翼 そのかたちがあるから……そうですね。もちろん永井さんに負けたくないですし、永井さんにかぎらずどの選手にも負けてはいけないんですけど、確かに永井さんのタイプをチームが必要とするならば、絶対自分も(俎上に)出て来ると思うので、そこでポジションを勝ち取れるようにしっかり準備していきたいと思います。ことしは、もう自分で(試合に)出る、やると決めているので。いいお手本として永井さんの存在は大きいと思います。
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決定力、巧さ、若手への気遣いを兼ね備えた稀代のスピードスター、永井謙佑は強力なアタッカーだが、脚の速さなら平岡翼も負けてはいない。似たタイプの選手との交替でチームとしての機能性を維持したいと思うなら、平岡の出番があるかもしれない。そしてその出番は、そういう話をした翌週に早くも訪れたわけだった。
「アクシデントで早い登場だったけど準備は?」と訊ねると、平岡は「全然できてなかったんですけど」と苦笑いして、こうつづけた。
「でもそのほうが無心でできてよかったんじゃないかな、と。がむしゃらにやるということだけ意識して入ったので、入りは集中してできたと思います」

永井謙佑との交替で急遽ピッチに入った2月9日の平岡翼。

永井謙佑との交替で急遽ピッチに入った2月9日の平岡翼。

平岡は守備意識が高く、相手によくプレッシャーをかけた。相手を止める、守備を意識したのかと訊くと、平岡は同意した。
「そうですね、ひとに強く行こう、とか。よく自分のポジション(サイドハーフ)は相手を嵌めるスタートだと言われるものになっていますけど、自分が守備の先頭に立てるように、プレスであったり、周りの声掛けもありましたし、そういうものを意識してやろうと思いました」
ゴールキーパーのキックを狙うなど、インターセプトの意識も強かった。早めはやめの判断を心がけていたのだ。
「そうです。ハーフタイムに監督から指示がありましたし、自分が前に行くことで(サイドバックの室屋)成くんがうしろからの押し出しもできる。ああいうところをしっかり狙っていこうという話があったので、意識して取り組みました」

攻撃に於いても積極的な姿勢が感じられた。鈴木喜丈のパスを受け、ドリブルでペナルティボックスの角に分け入った平岡はそこで相手に倒され、PKを得た。
「あれ、

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