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【無料記事/プレミア最終節第1報】FC東京U-18、無念の終戦。直接対決で青森山田高校に敗れ、プレミア初制覇ならず(2016/12/11)

本日12月11日、FC東京U-18は小平グランドに青森山田高校を迎えて高円宮杯プレミアリーグEAST最終節に臨み、0-1で敗戦。勝点32の2位でシーズンを終え、初優勝とチャンピオンシップ進出の権利を逃した。日本クラブユースおよびJユースカップに優勝し、二冠を達成していたが、三冠はならなかった。17日に埼玉スタジアム2◯◯2で開催されるチャンピオンシップには勝点36で1位の青森山田高校が進出、WEST1位のサンフレッチェ広島F.Cユースと対戦する。

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FC東京U-18の先発はゴールキーパーが波多野豪、ディフェンスラインが坂口祥尉、蓮川壮大、岡崎慎、長谷川光基、ボランチが鈴木喜丈と伊藤純也、両サイドハーフが生地慶充と平川怜、フォワードが内田宅哉と半谷陽介。サブスティテュートはゴールキーパーに高瀬和楠、フィールドプレーヤーに松岡璃夢、小林真鷹、小林幹、荒川洸貴、岡庭愁人、久保建英を備えて試合開始を迎えた。

青森山田高校は、来季FC東京への加入が決まっているゴールキーパー廣末陸の速く強く遠くへと飛ぶフィードで一気にゴール前へボールを運ぶ攻撃を繰り返した。そこからのクロス、シュートを波多野豪が慎重に、あるときは思いきり跳躍してキャッチ。そして青森山田対策で左サイドバックに入った長谷川光基を含むディフェンスラインが長いボールを跳ね返していく。前半32分には右からの大きなクロスがファーサイドへと送られたところを、長身の波多野がさらに手を伸ばしてぎりぎりのところでキャッチ、場内がどよめく場面もあった。
蹴る、走る、ガツガツ当たる青森山田高校の圧力に苦しめられていたFC東京U-18は半谷陽介と内田宅哉のドリブルで打開を図るがなかなか有効打を与えられない。前半45分には鈴木喜丈が高体連のチームにも負けないフィジカルの強さと守備の巧さでボールを奪い、ここから展開して最後は半谷がシュートを撃ったものの、廣末がキャッチ。ファーストハーフの45分間を0-0で終えた。

セカンドハーフが始まると、優勝のためには勝点3が必要なFC東京U-18がペースを握る。後半13分に左サイドの内田からのクロスを生地慶充がシュートに持ち込み、これをふかしてしまった場面をはじめ、左サイドから崩しとセットプレーとで何度となくチャンスをつくったが決められず、0-0の時間帯がつづき、交替で松岡瑠夢、久保建英、岡庭愁人を送り込むも決定打に欠ける。すると迎えた終盤の後半40分、青森山田高校の10番高橋壱晟にPKを決められ、先制を許してしまう。アディショナルタイムを含めて残り10分間で2得点を奪うことはできず、引き分けでも優勝できる青森山田高校に守りきられ、タイムアップ。FC東京U-18は無念の敗戦でプレミアリーグ初優勝を逃した。

途中出場の青森山田高校フォワード19番佐々木快を倒して痛恨のPKを与えてしまった蓮川壮大は試合後「最後、ぎりぎりまで粘り、滑らなければよかったと後悔」したと語った。前がかりな攻撃をしながらも堅守の相手にゴールを決められず、0-0の時間帯を長く強いられる、そのように緊迫感がある試合は年間を通じてもそうはなかったはず。死闘の果てにやってきた終盤はFC東京U-18にとって未知の領域だったのか。そうなる前に得点できればよかったが、それを許さないほどに青森山田高校が強力なチームだったからこそ0-0のままだったわけで、スコアは0-1でも完敗だったと評するべきなのかもしれない。

二冠を獲りはしたものの、決して順風満帆と形容できる一年ではなかった。クラブユース選手権も関東大会はぎりぎりの突破、全国に行けない可能性もあった。薄氷を踏む思いの勝利を積み重ね、リーグ戦でも優勝の可能性を残したまま最終節にやってきたとはいえ、その成績をもってFC東京U-18の優勝が約束されたわけではない。
それでもできるかぎりの対策を講じて臨んだ最終節。首位の強敵に勝てば優勝、しかもホームというシチュエーションで喫した敗北は選手にとり非常に悔しい出来事だったはずだ。試合後、蓮川壮大はピッチに突っ伏して起き上がることができず、その後の挨拶では鈴木喜丈が涙を溢れさせて大泣きした。
この結果について、佐藤一樹監督は次のように話した。
「ぼくらは昇格二年めで、ある意味うまく優勝争いをさせていただいているチーム。もちろん、きょう勝てれば、あと一試合このすごくいいチームでやれたんですけれども。ことしはふたつ獲って最後にサッカーの厳しさを味わった。この負けはかなり効くと思うんですよね。青森山田がカップを掲げる姿、ましてホーム小平で、こういう悔しい経験をさせていただいたという捉え方をすれば、優勝争いをさせてもらった甲斐があったと思う。彼らにはそれを次につなげるエネルギーにしてくれ、なかなか味わえない悔しさだぞという話をさせてもらいました」

三年生はこの経験をプロや大学で活かしていくほかはない。いっぽう、二年生以下の選手たちはリベンジを果たすべく、来シーズンのリーグ優勝、あるいは三冠を狙うことができる。きょう一日は悔しがり、公式戦の終わりを惜しみ、またあすから新しい一歩を踏み出してほしい。

 

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