「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

やるべきことを徹底し、粘りに粘れ。最後の最後まで試合の行方はわからない。【J2第36節 清水エスパルス戦 プレビュー&コラム】(24.10.26)

前節はアウェイで群馬と対峙し、スコアレスドロー。35試合を消化して7勝11分17敗、勝点32、順位は降格圏の18位。残りは3試合。残留圏の17位大分とは勝点5差。今節は2位の清水エスパルスとのホーム戦に挑む。栃木は残留、清水は昇格が懸かる大一番だ。会場はカンセキスタジアムとちぎ。キックオフは27日(日)14時を予定する。 

 

PICK UP  ザ・メンタル勝負

 

▼決戦は大観衆のなかで

今週のチームにはより多くのパワーが注がれた感がある。

OBの廣瀬浩二氏の叱咤激励も一つだが、チームの窮地を救おうとする動きや声が選手たちに折り重なって届いている。

「試合を観に来てくれる人たちの思い、観に来れなくても応援してくれている人たちの思いを背負い、ピッチ上でしっかり表現できるようにしたいと思っています」

キャプテンの佐藤祥がしみじみと言った。

試合当日は応援のパワーをより感じることだろう。今回のカンセキスタジアムはリーグ戦では過去最多更新となる動員15千人以上を記録する可能性がある(※過去最多は2009年鳥栖戦の15,857人)。J1昇格の瞬間を見届けようと清水側のサポーターが大挙する。それに対抗する栃木側のファン・サポーターも負けない質・量で徹底抗戦するだろう。

異様な雰囲気のなかで決戦は始まるはずだ。清水は勝てばJ1昇格、栃木は引き分け以下の場合、17位大分の結果次第でJ3降格の可能性がある大一番。

だが選手たちは余計なことを考える必要はない。試合開始のホイッスルが鳴ったら、がむしゃらにアグレッシブにプレーすることだけを考えればいい。大観衆のなかでサッカーができることを存分に楽しんだっていい。

やるべきことを徹底してやる。この一点に集中したい。

「目の前の相手に勝つこと。一人ひとりがそれをベースに戦えれば、たとえ技術の差があってもカバーできる。みんなで助け合いながら戦えればいい」(佐藤)

相手より走る、泥臭く戦う。ここまで来たら奇をてらったような策は無意味だ。今までやってきたことを愚直に体現する。90分間やり続ける。それで十分に対抗できる。

アグレッシブに前から奪いにいき、相手ゴールを強襲する。プレスの矢を剥がされたならば素早く帰陣する。自陣ゴール前では身体を張って粘り強く戦う。それらを全員がアラートに泥臭くやり続ければ、拮抗した勝負に持ち込める。

あとは、仕留め切れるか。直近の2試合の課題だ。チャンスは多くないだろう。一撃か、二撃か、それを仕留め切れるか。大事にいかなくていい。思いっきり足を振り抜けばいい。フィニッシュを置きにいったらダメだ。こういう状況だからこそ、俺が決めるんだという強い気持ちに身を任せてプレーすればいい。清水からすれば、躊躇もなく襲い掛かって来るような栃木が一番怖いのだから。

 

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