「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

後半は選手もベンチも硬直化。ダービーで手痛い逆転負け。【J2第31節 水戸ホーリーホック戦 レビュー】(24.9.16)

2024明治安田生命J2リーグ第31節

2024年9月15日19時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 6,678人

栃木SC 2-3 水戸ホーリーホック

(前半2-1、後半0-2)

得点者:6分 宮崎鴻(栃木)、17分 久保征一郎(水戸)、29分 福島隼斗(栃木)、58分 楠本卓海(水戸)、73分 中島大嘉(水戸)

気温 24.8℃
湿度 90%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 27 丹野 研太
DF 17 藤谷 匠
DF 2 平松 航
DF 33 ラファエル
MF 23 福島 隼斗
MF 24 神戸 康輔
MF 22 青島 太一
MF 10 森 俊貴
FW 42 南野 遥海
FW 15 奥田 晃也
FW 32 宮崎 鴻
控えメンバー
GK 1 川田 修平
DF 5 大谷 尚輝
MF 16 玄 理吾
MF 6 大森 渚生
FW 19 大島 康樹
FW 45 山本 桜大
FW 9 イスマイラ

66分 奥田→イスマイラ
90+1分 福島→大森
90+1分 南野→山本

 

なかなかに歴史的な再開時間となった。

 

 

▼劣勢時に打ち手なし

強い雷雨が過ぎ去り、1時間40分ほどの中断を経てゲームは再開。メンバー外の選手、クラブスタッフらが総出でピッチの水たまりを取り除き、さあいくぞという機運を作り上げたが、事はうまく運ばなかった。

 

後半の頭から水戸は4枚替えを敢行。2トップ化し、前線に中島大嘉、最終ラインに強さに秀でる楠本卓海を投入してきた。

後半が始まると水戸の最終ラインはノージャッジで前線にロングフィードを蹴り入れ、前線が競り勝ち、あるいはセカンドボール奪取で上回り、サイドの俊足の新井晴樹が飛び出していくという徹底ぶり。

栃木が苦し紛れにタッチラインに逃げれば、左SB大崎航詩にロングスローを投げ入れられ、押し込まれるなかでCKを獲得され、58分に楠本に決められて同点とされた。そして73分には栃木のGKキックを跳ね返され、そのまま背後を取られて中島に右スミに決められ、逆転された。

後半の栃木はGKキックがショートしたり、あるいは越えてしまったり、FW宮崎の頭に合わず、相手の陣地の奥深くをほとんど取れなかったことが痛かった。グラウンド状況も踏まえると、後半はほぼ陣取り合戦の勝負でもあったが、その点で水戸に完敗していた。

相手はやるべきことを徹底し、栃木は中途半端だった。試合が中断した時間帯の準備の差でもあるだろう。

 

「中断した時間が大きく、戦略を練ることができた。ピッチ状態を踏まえ、ロングボールが多くなることを想定して、セカンドボールを拾えるような配置にした」とは水戸の森直樹監督。

対する栃木の小林伸二監督は「(中断後の後半の)準備が甘かった。相手は2トップなので早めに準備したり、脇を締めることが必要だったが、細かく言えなかった。こちらのリレーションが遅かった」と唇を噛んだ。

 

まるで、つい最近のホーム秋田戦(△0-0)の後半のようだった。

秋田が後半、前線と中盤の選手交代を進め、競り合いとセカンドボールへの強度を高めてきたとき、栃木は対峙する策を打つわけでもなく、中途半端に応じ、成す術なく流れを明け渡してサンドバック状態になるという構図だ。

明らかに水戸が早めに蹴り込んできており、セカンドボール奪取に心血を注ぐ、ということを徹底しているのだから、栃木は対抗するために”締める”=コンパクトに守るべき時間帯だった。

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