「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

前半の攻勢が後半に一変したワケ。ただ粘守による勝点1は最低限。【J2第27節 ブラウブリッツ秋田戦 レビュー】(24.8.18)

2024明治安田生命J2リーグ第27節

2024年8月17日19時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 8,315

栃木SC 0-0 ブラウブリッツ秋田

(前半0-0、後半0-0)

得点者:

気温 25.8℃
湿度 90%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 27 丹野 研太
DF 13 坂 圭祐
DF 2 平松 航
DF 33 ラファエル
MF 23 福島 隼斗
MF 24 神戸 康輔
MF 22 青島 太一
MF 10 森 俊貴
FW 19 大島 康樹
FW 15 奥田 晃也
FW 32 宮崎 鴻
控えメンバー
GK 1 川田 修平
DF 17 藤谷 匠
MF 16 玄 理吾
MF 6 大森 渚生
FW 18 川名 連介
FW 38 小堀 空
FW 45 山本 桜大

26分 森→大森
67分 青島→玄
67分 大島→川名
86分 奥田→小堀

 

▼まず右サイドの繋ぎで先手を取る

前半は準備してきたとおりの理想的な展開だった。

「序盤から秋田のロングボールに付き合わず、自分たちのサッカーがやれていたと思います」(奥田)

相手が入れてきたロングボールをCBラファエルらが弾き、神戸と青島らボランチ勢がセカンドボールを丁寧に処理し、サイドにつける。

とりわけ、右サイドから再三、グラウンダーで相手の守備を崩すことができていた。

 

CB坂が前を見やり、福島が幅を取り、大島が相手ボランチの脇、相手CB前のファジーなポジションを取り、相手の守備を迷わせていた。

秋田は基本、前から奪いに来ない。吉田秋田が立ち上がった頃は前から奪いに行っていたが、相手に裏返されたときの対応も踏まえ、ここ数年はミドルゾーンにブロックを構え、前進してきた相手を仕留める守備を採用している。

そういう秋田に対し、栃木は繋ぎで先手を取れていた。CB坂からワイドの福島か、シャドーの大島か、目線や蹴り方で相手を迷わせながら、鋭いグラウンダーのパスを差し込み、相手の守備に対して先手を取れていたのが前半だった。

 

21分には相手ロングボールをラファエルが弾き、セカンドボールが奥田へ。奥田がフリックで宮崎に入れると、宮崎が相手CBに競り勝ち、反転して奥田へラストパスを通す。このフィニッシュシーンは惜しくも相手GKに阻まれた。

37分にはこの日最大の決定機を掴む。前述したとおりの右サイドの崩しから大島がポケットを取ってマイナスのエリアに流す。神戸のフィニッシュを相手GKがファンブルすると、このボールを大島がふんわりと宮崎にあげたが、宮崎のヘディングシュートはバーを弾き、ゴールはならなかった。

 

 

終わってみれば、ここで先制できていればというシーンとなった。

対する秋田はロングボールで起点を作れたときにはロングスローやCKに時間をかけながらゴールを狙ってきたが、その圧力は前半のうちはまだおとなしいものだった。

 

▼秋田がプレスを「一つ前へ」修正

戦況が一変したのは後半だ。

あれだけ攻勢を掛けていた栃木の攻撃が鳴りを潜めたのはなぜか。

一つは、秋田がプレスを「一つ前へ」と押し出したことだ。

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