「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

黒﨑隼人が復調できた理由の一つ。「自分は周りの人たちに支えられている。その人たちのためにも試合に出て活躍しようという思いがどんどん強くなっていった」【さあ、暴れるぞ】(23.7.27)

黒﨑がピッチに戻って来た。3試合前の仙台戦からスタメンに復帰し、即ゴール。前節清水戦では千金アシストを決めてチームに勝点をもたらした。まだまだやってくれそうな気配が漂う。復調できた理由は何か。

 

▼もっともっと良くなっていける

――ひげは剃ってからまた伸びてきたのですか?

「一回リセットしたのですが、完全には剃っていないです。ちょっと伸ばしています()

――ひげも一回リセットしたのですね。3試合前の25節仙台戦(△2-2)から再びスタメンとして出始めて、もう一度ステージに乗ったという感触はありますか?

「そうですね。これまで試合に出られない期間があった分、試合に出たときには絶対に結果を残したいと思っているし、チームが苦しい状況なので、自分がこのチームに勝利にもたらそうという思いが強くなってきたところです」

――自分事ではなく、チームのためにという思いが強い。

「そうですね」

――なかなか試合に出られないときは自分事になってしまい、そこまでいけないですからね。

「そうですね。なぜ自分は試合に出られないか、にフォーカスしがちになるのだと思います。ただ、いつチャンスが来てもいいように練習に対する準備だけはしっかりとやってきた自負はあります。気分が乗らないときもありましたが、気分が乗らないなあと思うと余計に沈んでいってしまうもの。試合に出られないときこそ大事だし、出られていない期間が結果的にプラスになったと思っています」

――栃木に来てからこれだけ試合に絡めなかったのは初めてですが、支えになったものは?

「試合に出ていなかったときに、地域のサッカー教室に参加する機会があったんです。そこで偶然にも高校のときの担任の先生がいたり、小学校のときの先生がいたりして。そういう人たちから『応援しているよ』『いつもチェックしているよ』『なかなか苦しいと思うけどいつも観ているよ』と言ってもらえたりして。色々な人たちから連絡をもらい、声を掛けてもらって、自分は周りの人たちに支えられている、応援されていると改めて思ったのはあります。せめてその人たちのためにも試合に出て活躍しようという思いがどんどん強くなっていったというのはありますね」

――自分事より、他人のため、チームの勝利のため、自分にベクトルに向けるのではなく、周りのためにという方向に向いていったと。

「自分を犠牲にしてでもやる、という思いが強くなってきたんです。チームが勝つために自分ができることをやろうと。チームが苦しいときにどう自分の特徴を出していくか、攻撃をやり切るとか、クロスを上げ切るとか、このスプリントによって相手はどう苦しむのか、味方は自分がどういうプレーをしたら楽になるか、自分を犠牲にしてアクションすることで周りはどう活きるのか。そこにもっともっと目を向けていければ、自分のプレーももっと良くなると思います」

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