「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

攻守ともにもったいないプレーが多過ぎた。【J2第19節 藤枝MYFC戦 レビュー】(23.6.4)

2023明治安田生命J2リーグ第19節

2023年6月3日17時キックオフ 藤枝総合運動公園サッカー場

入場者数 1,511

藤枝MYFC 1-1 栃木SC

(前半0-1、後半1-0)

得点者:41分 福島隼斗(栃木)、90+4分 山田将之(藤枝)

天候 曇
気温 21.7℃
湿度 78%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 41 藤田 和輝
DF 23 福島 隼斗
DF 15 岡﨑 亮平
DF 5 大谷 尚輝
MF 10 森 俊貴
MF 24 神戸 康輔
MF 4 佐藤 祥
MF 30 福森 健太
FW 38 小堀 空
FW 37 根本 凌
FW 36 山田 雄士
控えメンバー
GK 25 青嶋 佑弥
DF 21 吉田 朋恭
MF 6 大森 渚生
MF 7 西谷 優希
MF 8 髙萩 洋次郎
FW 29 矢野 貴章
FW 32 宮崎 鴻

 

64分 岡﨑→大森
64分 佐藤→西谷
77分 小堀→矢野
77分 根本→宮崎
89分 山田→髙萩

 

▼勝点3を奪わないといけないゲーム

藤枝は明らかに困っていた。

栃木はミドルゾーンにブロックを構え、最終ラインを高めに設定し、全体をコンパクトに保つ。相手が中に入れてくるボールはCB勢がタイトに潰し、セカンドボール奪取からあわよくばカウンターに移行する――。

「相手がボールを動かそうとするところに対する守備のセット。そこからボールへゴーするタイミングはいい感触がありました」

佐藤が振り返るように、ソリッドな守備から何本もカウンターに移行できていたし、それを成すための緊張感のある守備連動を体現できていた。

今節は周知のとおり、試合当日に大きな移動負担を強いられる一戦だったが、その影響を感じさせない立ち上がりだった。

「こういう状況だからこそ、これを自分たちが強くなるためのきっかけにしよう」

試合前、矢野からそんな声掛けがあったという。

強いられた状況を言い訳にせず、チームは前向きな精神状態で試合に入れていた。

藤枝が10番横山を中心にする攻撃からシュートまで到達できても、その先にはGK藤田が必ず仁王立った。想定を超えるピンチには至らず、落ち着いて時計の針を進めるなかで、41分にはリスタートから先制できた。理想的な展開だった。

 

雲行きが怪しくなったのは折り返した後半、その70分過ぎだ。 

74分、局面打開が叶わない藤枝はCB2枚替えを敢行。左CBに左利きのCB工藤を投入すると、CB工藤やGK土田らレフティの2人からややアバウトなフィードを入れてくる本数が明らかに増えていた。

CB工藤は中央のCBからタッチライン際でボールを受けると、左足のワイドにボールを置き、栃木の右ウイングバック(森)を前に引き出しつつ、背後へボールを流し込んだり、フィードを入れたりしてきた。

栃木からすればなんてことのないボールだ。

CB勢がしっかりと弾いて前線まで大きくクリアするか、しっかりと収めて繋ぐか、いずれにせよ、はっきりと意図したプレーができれば何も問題はないはずだった。

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