「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

攻撃も守備も「前へ」。前節清水戦の収穫と課題を活かし、4発大勝を掴む。【J2第13節 ツエーゲン金沢戦 レビュー】(23.5.4)

2023明治安田生命J2リーグ第13節

2023年5月3日16時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 6,775

栃木SC 4-0 ツエーゲン金沢

(前半1-0、後半3-0)

得点者:5分 山田雄士(栃木)、47分 大森渚生(栃木)、49分 矢野貴章(栃木)、82分 佐藤祥(栃木)

天候 晴
気温 22.4℃
湿度 29%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 23 福島 隼斗
DF 16 平松 航
DF 6 大森 渚生
MF 10 森 俊貴
MF 7 西谷 優希
MF 4 佐藤 祥
MF 30 福森 健太
FW 29 矢野 貴章
FW 37 根本 凌
FW 36 山田 雄士
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
DF 21 吉田 朋恭
DF 3 黒﨑 隼人
MF 45 安田 虎士朗
MF 8 髙萩 洋次郎
FW 32 宮崎 鴻
FW 38 小堀 空

71分 福森→黒﨑
71分 矢野→髙萩
81分 根本→宮崎
81分 山田→安田
85分 森→吉田

 

▼前節清水戦の後半の流れを継続

4得点による大勝劇は20年シーズンの第28節琉球戦(〇4-1、得点者:榊翔太×2、森俊貴×2)以来だ。40のスコアとなると、14年シーズンの第14節大分戦(〇4-0、得点者:大久保哲哉×2、廣瀬浩二×2)まで遡る必要がある。

 

直近の試合同様、良い部分がたくさん見えた試合だった。

前節清水戦(●0-2)の後半に見せた、攻守のアグレッシブさを継続しようとピッチに立った試合だが、立ち上がりからフルスロットルだった。

その「前へ」の意識が5分の先制ゴールに繋がった。左サイドで受けた福森が仕掛け、クロスに対してニアで根本が潰れ、背後に山田が飛び込んだ。山田は「(福森)健太君が持ったときは基本的に仕掛けると話している」と振り返る。二人の分かり合えている関係性が最高の立ち上がりを彩った。

 

栃木が中3日、金沢は中2日でアウェイに乗り込んだ一戦だった。金沢は前節からスタメンを10人も入れ替え、林誠道や加藤潤也、藤村慶太といった主力がベンチにもいない陣容だ。金沢は4月の連戦渦中だった9節いわき戦でも同様にターンオーバーで臨んで30で勝利しており、同じようにいける見積もりもあったのかもしれない。

ただ、根本と矢野に対する相手CBの局地戦では、栃木が圧勝だった。根本らがほぼ完勝ペースで収め続けてくれるので、二列目、三列目が前向きにボールを受けられ、それをスイッチに後ろからわき出るようにボランチが、ウイングバックが、左右のCBが、どんどん追い越していく。

直近の試合で攻撃回数を確保できている要因について時崎監督が話している。

「やはり、背後へのアクションが増えていることだと思います。背後へアクションがあるから、足下が空いてくる。本当はもっと質を高く、前進する回数を増やしたいのが本音ですが、選手たちがちょっとずつ見えてきて、(選択肢から)選べるようになってきたことは大きいと思います」

ここ数試合、攻撃局面におけるダイナミックさが目に見えていたが、今節もその流れは健在だった。

ボールを追い越してチャンスメイクに関与するという観点でいえば、西谷が凄まじかった。あれだけ中盤中央でボール狩りの中心を担っているのに、例えば、前半のアディショナルタイムには右奥で矢野が起点を作ったと見るや、相手ペナルティエリア内に走り込み、右CB福島から絶妙な縦パスをエリア内に引き出すとクロス。飛び込んだ根本にはわずかに合わなかったが、1点ものだった。

 

そんな攻撃の原動力になっているのが守備だ。前節清水戦の前半は、相手の巧さにたじろいでしまった側面もあっただろうが、守備がハマらず、背後のスペースを取られて前半のうちに2失点した。

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