「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

細部を詰めてやり続けるが吉。【J2第12節 清水エスパルス戦 レビュー】(23.4.30)

2023明治安田生命J2リーグ第12節

2023年4月29日14時キックオフ AIAスタジアム日本平

入場者数 12,305

清水エスパルス 2-0 栃木SC

(前半2-0、後半0-0)

得点者:39分 乾貴士(清水)、44分 北爪健吾(清水)

天候 晴
気温 21.7℃
湿度 48%
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 23 福島 隼斗
DF 16 平松 航
DF 6 大森 渚生
MF 24 神戸 康輔
MF 10 森 俊貴
MF 7 西谷 優希
MF 36 山田 雄士
MF 30 福森 健太
FW 29 矢野 貴章
FW 37 根本 凌
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
DF 3 黒﨑 隼人
MF 4 佐藤 祥
MF 45 安田 虎士朗
MF 8 髙萩 洋次郎
FW 32 宮崎 鴻
FW 38 小堀 空

66分 神戸→佐藤
66分 矢野→髙萩
66分 森→黒﨑
74分 西谷→安田
82分 根本→宮崎

 

▼いつもと違って相手が失わない

後半の清水は2点リードしたこともあり、じっくり3点目を奪いにいくスタンスに見えたが、敵将・秋葉監督は「少し運動量が落ちた」とも振り返っている。

栃木の選手たちに肌感覚を聞いても「清水の運動量が落ちた」と振り返っており、前半をゼロで折り返すことができていればチャンスはあったかもしれない。

ただ、そうはさせなかったのが今の清水の強さか。

前半から球際は強く、ボールを失った際のトランジションは非常に速く、強度を最大限に引き上げてペースを掌握し、自分たちの時間帯にゴールを奪い切り、3連勝を奪っていった。

 

清水はトップ下の乾も加わる後ろの繋ぎがしっかりしていたし、CB勢はプレスを掛けても動じず、栃木のプレスの出方を見ながら、足下と背後を使い分けてきた。

その上で、乾とサンタナの存在感が強大だった。二人ともボールが入れば、乾は巧さで失わず、サンタナは強さで失わなかった。

福森が言う。

「清水は(ビルドアップにおいて)逃げ道をいくらでも持っていて、難しかった。栃木としては乾選手やサンタナ選手にボールを入れさせたときに奪えるような感覚があれば、何も考えずに前から奪いに行けると思うのですが、そこの能力の大きさは感じました」

前半も半ばを過ぎると清水がボールを支配する時間が続いていた。清水のトランジションの速さもあり、栃木は奪ったボールをなかなか前進できない苦しい状況だったが、守備では何とか耐えていた。

清水に前進されても最後のクロス対応はCB平松を中心にタイトに対応し、辛うじてCKに逃げるなどできていた。13分の乾のボレーも最後にブロックしたのはCB平松だ。前線では矢野と根本が身体を張ってキープし、あるいはファウルをもらうなどしながら「粘り強く戦って、失点しない時間を長くしながら勝機を見出したい」(矢野)との姿勢は、おおむね成功していた。

 

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