「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

終了間際の失点は7試合目。失った勝点は「-11」。この課題の“正常化”なくして前進なし。【J2第41節 水戸ホーリーホック戦 レビュー】(22.10.17)

2022明治安田生命J2リーグ第41節

2022年10月16日14時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 12,490人

栃木SC 2-3 水戸ホーリーホック

(前半2-1、後半0-2)

得点者:20分 カルロス・グティエレス(栃木)、29分 黒﨑隼人(栃木)、45+2分 木下康介(水戸)、87分 唐山翔自(水戸)、90+6分 唐山翔自(水戸)

天候 曇一時晴
気温 23.4℃
湿度 62
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 3 黒﨑 隼人
DF 35 鈴木 海音
DF 16 カルロス グティエレス
DF 28 吉田 朋恭
MF 8 髙萩 洋次郎
MF 24 神戸 康輔
MF 14 谷内田 哲平
MF 4 佐藤 祥
MF 10 森 俊貴
FW 37 根本 凌
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
MF 11 ジュニーニョ
MF 17 山本 廉
MF 18 大森 渚生
MF 23 植田 啓太
FW 19 大島 康樹
FW 32 宮崎 鴻

50分 神戸→大森
65分 髙萩→大島
65分 根本→宮崎
90+7分 黒﨑→山本
90+7分 谷内田→植田

 

▼終了間際の失点が合計7試合は多すぎる

今季は試合終盤の失点で勝点を落とす試合が多い感覚はあったが、実際に調べてみると例年よりも2倍以上だった。合計7試合、勝点減の合計は「-11」である。

直近のシーズンにおいて、85分以降に失点し、それが勝点減に影響した試合を拾っていくとこんな感じだ。

2021年が3試合、勝点減は「-5」。

2020年が2試合、勝点減は「-4」。

あの苦しんだ2019年でさえも5試合、勝点減は「-7」。

試合終盤の失点で強い印象を残したのが2015年だ。39節徳島戦、40節北九州戦で2試合連続で後半アディショナルタイム弾を食らってドローに持ち込まれ、結果的にJ3に降格したシーズンだが、2015年は意外にも3試合、勝点減は「-5」どまりだった。

終了間際の失点で勝点を落とす試合は例年だいたい3試合くらいはあるが、今年の7試合は多すぎる。

 

勝点減の試合だけ拾っても不公平なので、85分以降のゴールによって勝点増に繋げた試合も拾っていくと、どのシーズンもだいたい3試合くらいあることがわかる。つまり毎年、プラスの試合でマイナスの試合を相殺できている。

今季も85分以降のゴールで勝点増に繋げたのは3試合ある。6節千葉戦(○2-1)、22節大分戦(△1-1)、29節徳島戦(△1-1)3試合。例年どおりだ。

だが、勝点減に繋がる終了間際の失点が7試合もあるので、3試合の勝点増だけでは相殺できていない。勝点減の超過分は勝点「-7」程度だ。

勝点でアベレージ「+7」ができていれば、だいぶ見える景色は異なる。今季の混戦J2でいえばちょうど半分、11位前後をうろつく立ち位置だった。それがアベレージで「-7」なのだから、そうはいっても残留ラインが……と下が気になって仕方がないというシーズンだった。

 

勝点減に繋がった7試合の失点の内訳をみると、ミスからの被カウンター、リスタートのセカンド攻撃、GK絡みの失点、の3つに大別される。今節のラストの失点はリスタートのセカンド攻撃とGK絡みのミックスだった。

この部分を”正常化”できないと来季もハンデを背負って戦うことになる。ただ、ここが正常化できれば勝点は「+7」だ。順位表1ページ目の一番下に付け、本気で上を狙える立ち位置を取れる。

 

▼大事なのは試合が壊れたあと 

一時2点を先行した前半の出来からは想像できない後半だった。

確かに48分にグティエレスまで退場させられた主審のジャッジには疑念が残る。映像で見返してもイエローカード相当だと感じる。もし水戸の安藤がグティエレスを蹴り上げていなければ、ひと悶着した両者へのお咎めとしてイエローカードによる喧嘩両成敗で留まったのではないか。グティエレスが足でちょっかいを出したプレーは単独でレッドカード相当かどうか。

もらい事故のようなものだ。90分の中で起きてしまったこと、主審が下したジャッジは不平不満があろうと変えられない。そして、いざイレギュラーな状況が起きたときに対処できることもチーム力の一端に違いない。

(残り 2730文字/全文: 4450文字)

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