「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

2点目を奪って勝っていたら今季のベストゲーム。【J2第40節 FC町田ゼルビア戦 レビュー】(22.10.10)  

2022明治安田生命J2リーグ第40節

2022年10月9日14時キックオフ 町田GIONスタジアム

入場者数 4,343人

FC町田ゼルビア 0-1 栃木SC

(前半0-1、後半0-0)

得点者:42分 髙萩洋次郎(栃木)

天候 曇りのち雨
気温 20.1℃
湿度 52
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 3 黒﨑 隼人
DF 35 鈴木 海音
DF 16 カルロス グティエレス
DF 28 吉田 朋恭
MF 8 髙萩 洋次郎
MF 7 西谷 優希
MF 14 谷内田 哲平
MF 4 佐藤 祥
MF 10 森 俊貴
FW 37 根本 凌
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
DF 40 井出 敬大
MF 11 ジュニーニョ
MF 17 山本 廉
MF 23 植田 啓太
MF 24 神戸 康輔
FW 32 宮崎 鴻

70分 西谷→神戸
70分 根本→宮崎
84分 谷内田→植田
84分 髙萩→山本

 

 

▼良い守備とボール保持が共存

奪ったら前に出て行く、失ったら素早く戻る――。

目まぐるしく変わる攻守の切り替え局面で、当たり前にやるべきことをやり続け、さらに攻撃移行時には精度を伴わせたゲームだった。

「強度」だけに留まらず、「質」も発揮した。今季の時崎栃木が目指した理想形に近づいたゲームと言っていい。後半に2点目、3点目と奪って押し切れていれば、その印象はさらに色濃くなっていたはずだ。

スタートのボランチは西谷、佐藤というコンビだった。谷内田は一列前のシャドーに入る布陣だったが、開始早々から頻発した中盤の攻防でダブルボランチが威力を発揮した。

9分には佐藤が相手ボランチに球際で競り勝って前にボールをこぼすと、谷内田、髙萩と繋がりカウンターチャンスに移行。

10分には中盤にバウンドしたセカンドボールに西谷が矢のごとく飛び込んで制したシーンがある。

15分には相手が刺し込んできた縦パスを西谷がプレスバックしながらインターセプト、そのボールを佐藤が拾い、すかさず前を見やると根本の懐に縦パスを刺し込んだ。

球際を強みとする両チームの攻防は、西谷と佐藤を中心に栃木がやや優勢という情勢だった。

「お互いにボールに圧力を掛けていくスタイルであることはわかっていたので、相手のダブルボランチがうちのボランチに(プレスに)来る分、相手のバイタルエリアが空いてくるところは狙いにしていた。そこで起点を作って追い越していく。それを後半の終盤までしっかりできていた」(時崎監督)

この試合は前半から後半にかけてシャドーの谷内田や髙萩が中盤からドリブルで相手ゴール前に突っかけてラストパスを送り込むシーンが何度もあった。

中盤の球際の攻防を制した瞬間、相手のボランチの脇や背後に巧みに顔を覗かせる谷内田や髙萩をうまく活かせていた。

 

(残り 4485文字/全文: 5637文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ