「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

【あなたはなぜ栃木SCへ?】Vol.1 福島愛海さん マーケティング戦略部  最年少スタッフとして溌溂と/フロントスタッフインタビュー(22.9.6)

〝縁の下の力持ち〟クラブフロントスタッフの皆さんを紹介する「あなたはなぜ栃木SCへ?」。記念すべき第1回は、マーケティング戦略部の福島愛海さんです。

(インタビュー・構成・写真 稲葉美和)

 

22歳、愛知県出身。

サッカーが好きな父親の影響を受け、地元のJリーグチーム・名古屋グランパスの試合を観に行くようになる。中学生の頃、スタジアムで働いている人たちを見て「フロントスタッフになりたい」と思ったのが、現在の職に至るきっかけ。

 

「最初は、どうすればフロントスタッフになれるのか全然わからなかったんです(笑)。表立った求人が出ているわけでもないのでネットでいろいろと調べていたら、スポーツビジネスを学べる専門学校があることを知りました」

 

高校卒業後に地元を離れ、サッカー専門学校「JAPANサッカーカレッジ」に進学。他クラブのインターンシップなどを経験しながら2年間通い、その中で運命的な出会いを果たした。

 

ある日、学校がある新潟県で行われたスポーツビジネスに関するイベントに同級生数人と参加。講師として招かれた登壇者の中に、当時栃木SCで取締役・マーケティング戦略部長を務めていた江藤美帆さんがいた。

 

後日、就職活動をしている最中にその江藤さんから声が掛かった。

「うちでチケット担当を探しているのですが、どうですか?」

 

「江藤さんとお話をしたのは1回だけだったので、びっくりしました。私のことを覚えてくださっていたんだと思って。(入社後に)『どうして(同級生ではなく)私に連絡をしてくれたのですか?』とお聞きしたら、『Facebookでつながっている中で1番最初に出てきて、気になって声を掛けてみようと思った』と(笑)。本当に運なのですが、そこから江藤さんとの面談、社長との面談、数日間のインターンシップを経て入社しました」

 

運も実力のうち。江藤さんも福島さんの人間性を見抜いていたはず。

こうして、栃木での1年目がスタートした。

 

ところが、思わぬ苦難が伴う船出になった。

入社は20202月。全世界と新型コロナウイルスの闘いが始まった年だ。

影響を受けたJリーグは、幾度か延期を繰り返した。

 

3月に予定していた(ホーム)開幕戦がコロナでなくなって、最初にホームゲームを経験したのは7月。無観客の試合でした。試合がなくなると払い戻しが出てきたり、(当時は)観客席を1席空けるというルールがあったり、運営と話しながら手探り状態でした。『これで正解なのだろうか』と悩みながらそれが大変でした」

 

まさかこんな始まり方になるとは誰も思わない。コロナ禍は今も続いているが、当時を乗り越えた経験は大きな糧になっているのではないだろうか。

改めて、チケット担当業務について教えてもらった。

 

「学生の頃は、チケット担当というと『ものすごく忙しそう』というイメージでした。売り上げに直結する部署ですし、プロモーションなども関わってくるので『大変そうだけど、やりがいはありそうだな』というのが第一印象でした。実際にやってみてもイメージ通りでしたが(笑)、思っていたより細かい作業が多いんです。『Jリーグクラブの担当の方はこんなことをされていたんだ』と尊敬します。試合当日はチケット売り場で窓口スタッフのサポートや、何かあったときの対応をしています。試合が始まり、後半30分ぐらいに入場者数がビジョンに出るときは毎試合毎試合すごくドキドキしています(笑)。そこで(数字が)目標を超えていたり、見込み以上だと『良かったぁ』と。それまで準備してきたものが報われる瞬間です」

 

基本、アウェー戦には帯同しないが、1年目に1度だけ新スタジアムになった京都戦に行き、現地スタッフからノウハウを学んだ。

 

「ちょうどカンセキスタジアムの試合をこれからやるという時期だったので、新しいスタジアムの運用の仕方も含めて聞きに行きました」

 

今までの仕事で印象に残っているのも、カンスタで初めてのホーム戦開催となった2020シーズンラストの2試合、千葉戦と磐田戦だ。

 

「それまでのホームゲームの仕事もやりつつ、カンセキの試合に一点集中で準備をしてきました。結局、当日はバタバタしてしまったのですが12月のナイターですごく寒かった記憶があります(笑)」

 

 

趣味は、音楽と読書。

好きなバンド・アーティストはSEKAI NO OWARI、椎名林檎、関ジャニと邦楽ロック系がずらりと並ぶ。

 

「職業病なのか、ライブに行って客席が1席空けになっているのを見ると『配席した人、絶対大変だっただろうな』とか考えてしまいます(笑)。『どうやって配席したんだろう』とか、そこに頭が行ってしまいます(笑)」

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