「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

いい守備からいい攻撃だけでは足りない。【J2第31節 アルビレックス新潟戦 レビュー】(22.8.15)

2022明治安田生命J2リーグ第31節

2022年8月14日18時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 7,809人

栃木SC 0-2 アルビレックス新潟

(前半0-1、後半0-1)

得点者:40分 鈴木孝司(新潟)、86分 藤原奏哉(新潟)

天候 晴
気温 30.2℃
湿度 71
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 3 黒﨑 隼人
DF 35 鈴木 海音
DF 15 大谷 尚輝
DF 18 大森 渚生
MF 19 大島 康樹
MF 14 谷内田 哲平
MF 24 神戸 康輔
MF 30 福森 健太
FW 29 矢野 貴章
FW 10 森 俊貴
控えメンバー
GK 25 青嶋 佑弥
DF 16 カルロス グティエレス
DF 28 吉田 朋恭
MF 23 植田 啓太
MF 7 西谷 優希
MF 8 髙萩 洋次郎
FW 37 根本 凌

61分 神戸→西谷
61分 森→植田
69分 大島→髙萩
69分 矢野→根本
87分 福森→吉田

 

▼内容は栃木、攻守の要所は新潟が取ったゲーム

残り十数試合という時期になると、各チームともそれまで積み上げてきたものを出しつつも、いかに勝負をモノにするかに重きを置き始める。

上のチームも、下のチームも、今、まず見るのは勝点だ。そこに内容が伴えばなお良し。すでにそういうフェーズに移行している。

今節新潟戦は、栃木がある程度の時間帯で内容を取ったゲームだった。前節熊本戦(●0-2)の反省を活かし、矢野を頂点とするコンパクトなプレス連動が機能し、新潟のボールを何度も引っ掛けてカウンターに移行できていた。

だが、前進はできても肝心要、ラストの局面での迫力や精度がなかなか出ない。カウンターの回数の割にフィニッシュに至る回数は少なく、惜しいシーンはショートCKからCB鈴木が飛び込んだシーン、神戸の中央から巻いたミドルくらいだった。

新潟とは対照的だった。新潟はボールを引っ掛けてカウンターに移行すると、いずれもボール保持者がゴール方向へドリブルで突っかけながら周りが追い越し、コンビネーションから決定的なフィニッシュに至るシーンが何度もあった。

この日の新潟は、栃木に内容を持っていかれたが、たとえ流れがなくとも、得点を奪うこと、失点しないこと、どんな形でも勝つことに神経を研ぎ澄ませていた印象があった。

勝てば暫定首位に浮上する戦い。アウェイゴール裏を占拠する新潟サポーターの大声援。結果を掴み取ろうとする執着心、イコール、気持ちの強さに繋がっただろうか。その差がスコアに如実に出た試合だったとも感じる。

 

ほぼ栃木のプラン通りの展開ではあった。

攻めあぐねる新潟の両ウイングが時折、背後にボールを引き出してチャンスを狙うのだが、栃木の両ウイングバックが走力を活かして卒なく対応し、新潟の攻撃をほぼシャットアウトできていた。

だから、40分の新潟の先制ゴールは新潟が迎えた、まさにワンチャンスだった。

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