「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

1対1のドローに見える、ハイプレス&カウンターを成立させるための試行錯誤。【J2第29節 徳島ヴォルティス戦 レビュー】(22.7.31)

2022明治安田生命J2リーグ第29節

2022年7月30日18時キックオフ カンセキスタジアムとちぎ

入場者数 4,614人

栃木SC 1-1 徳島ヴォルティス

(前半0-0、後半1-1)

得点者:73分 オウンゴール(徳島)、87分 宮崎鴻(栃木)

天候 晴のち曇
気温 30℃
湿度 78
ピッチ 良

<スターティングメンバー>

GK 1 川田 修平
DF 3 黒﨑 隼人
DF 35 鈴木 海音
DF 16 カルロス グティエレス
DF 15 大谷 尚輝
MF 14 谷内田 哲平
MF 24 神戸 康輔
MF 8 髙萩 洋次郎
MF 30 福森 健太
FW 29 矢野 貴章
FW 37 根本 凌
控えメンバー
GK 41 藤田 和輝
DF 28 吉田 朋恭
MF 10 森 俊貴
MF 33 磯村 亮太
MF 7 西谷 優希
FW 19 大島 康樹
FW 32 宮崎 鴻

60分 髙萩→森
60分 根本→大島
76分 矢野→宮崎
76分 神戸→磯村
76分 谷内田→西谷

 

 

▼膠着状態から先にリスクを取る

立ち上がりから、お互いがリスク管理を徹底するような膠着状態となった。

栃木は5バックを敷き、前線3枚とボランチが前で引っ掛けようと試みるスタンス。ウイングバックは自陣で相手ウイングを監視する構えだ。一方、徳島はボールを持っていても、栃木のカウンターを警戒しているからか、必要以上にゴール前に人数をかけてこない。

ボールは圧倒的に徳島が保持していたが、ボールは思うように前進せず、試合は膠着していた。時崎監督が言う。

「今日の徳島さんのような相手に対して、矢野と根本、それから高萩を前線で起用しましたが、あれだけボールを動かされたのでしんどい思いをしたと思います。ただ、我々も今季は粘り強く勝点を積み上げてきているし、それは彼らもしっかりとやらなきゃいけないと思っています。一方で、彼らが前線に入った分、カウンターに切り替わったときの精度というか、彼らを信じて走る選手が明らかに増えていると思うので、できればそのカウンターから決め切れるような力強さを身につけたいと思っています」

矢野、根本、髙萩が前線3枚を形成するときのプラスとマイナスがあり、リーグ屈指のポゼッション率を誇る徳島相手にそのプラスとマイナスがどう出るのか。

徳島のような相手であれば、むしろ後半に投入した森や大島、西谷らをスタメンに起用し、後半の勝負所で髙萩らを投入するなどしたほうが理に叶っているが、生き物とされるチームの良い流れがあり、現状をぶつけたときにさあどうなるか、という試合でもあったように思う。

 

結果的に前半序盤のチャンスは15分の1本。左サイドで髙萩がゴール前に供給したキックから根本が頭ですらしたシーンくらいだった。

そして、そのような膠着状況に陥ったときの保険も掛けられていたように思う。

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