「栃木フットボールマガジン」鈴木康浩

悔し過ぎる逆転負け。栃木SC U-18、プリンスリーグ昇格ならず。【アカデミーレポート】【無料掲載】(19.12.22)

吉野陽翔(2年)の先制ゴールまでは狙い通りだったが…。

超ユース級のFW櫻川ソロモン(右から2番目)。

プリンスリーグ関東参入決定戦1回戦

栃木SC U-18 1-2 ジェフユナイテッド千葉・市原U-18

12月22日(日) 13時30分~ 鹿嶋市卜伝ノ郷運動公園

 

▼警戒していた超ユース級FWソロモンにやられた

試合開始直後、いきなり郷達哉(栃木SC U-181年)が放ったシュートがバーを弾いた。激しい試合になるかと思われたが、その後は両チームともボールを動かしながら、相手の隙を覗うやや慎重な展開に。その上で両チームとも要所となる守備のポイントは素早く潰して決定機を与えないままゲームを進めていく。

折り返した後半、千葉が左サイドを起点に鋭いクロスを供給し始めると何度かヒヤリとさせられたが、ゴールを割らせることなく時計の針を進めていった。そして満を持して長身のFW小堀空(2年)を前線に投入。すると少しずつ前で起点ができるようになり、前半にはなかった前掛かりな攻撃の時間を作り出すことに成功。その流れから迎えた75分過ぎだった。キャプテンの中三川海斗(3年)が放った右CKに吉野陽翔(2年)が頭で合わせて先制に成功する。栃木がワンチャンスをモノにして逃げ切り態勢に入った。

だが、先制を許したジェフ千葉がここで切り札を投入。18歳ながらU-20代表に選ばれ、来季のトップチーム昇格も決まったFW櫻川ソロモンを投入。190㎝、84㎏というひと際大きな身体、そして抜群のスピードに柔らかさまで備えた規格外のソロモンに一気に流れを変えられた。ソロモンの投入で勇気づけられたかのように千葉が攻勢を強めた90+1分だった。千葉のCK時に栃木守備陣がソロモンを押し倒したとしてPKを献上。これをソロモンに決められて同点とされた。その直後、今度はソロモンにポストプレーからうまく入れ替わられて決定機を作られると、一度はGK犬飼裕哉(1年)が好セーブで凌いだが、こぼれ球を押し込まれて逆転弾を許した。

後半アディショナルタイムにまさかの2失点。その後に反撃の時間は残されておらず、直後に試合終了となった。栃木は狙い通りの戦いのなかで先制に成功した勝ちゲームだったが、最後に櫻川ソロモンという超ユース級にすべてを持っていかれて悔しすぎる敗戦を喫した。

試合終了後、栃木SC U-18の選手たちは信じられないといった様子で芝につっぷし、誰もがうなだれていた。その仲間たちをキャプテンの中三川海斗が顔を上げるように声をかけて回り、悔しさを押し殺して気丈に振る舞おうとする姿が印象的だった。まさかの敗戦に浜嶋淳郎監督は「(プリンスリーグ昇格は)簡単ではないです。またやり直します」と振り絞るように言葉を残し、その場を後にした。

毎年のこの時期、眼前にはプリンスリーグ昇格の壁が何度でも立ちはだかってきた。今年も乗り越えることはできなかったが、今年のチームには2年生や1年生が多数出場している。この敗戦の悔しさを胸に、また来年、もう一度。何度でも立ち上がり、チャレンジを続けるしかない。

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