【無料掲載】【レポート&フォト】栃木SCユースが県U-18リーグ1部を制覇、12月22日関東プリンスリーグ参入戦への出場が決定!
拮抗した試合で最後に大仕事をしたのはエース坂本昂優
「プリンスリーグに参入したいという気持ちが本当に強くなっている」
勝てば文句なしで栃木県U-18リーグ1部優勝と関東プリンスリーグ参入戦出場が決まる栃木SCユース。目の前での優勝は絶対阻止しようとがむしゃらに向かってくる真岡高校。
序盤から真岡の鋭いプレスの連続に栃木SCユースの選手たちのボールがなかなか繋がらない展開が続いた。
「これだけ堅くなっている選手たちは今年初めてかもしれない」(栃木SCユース・浜嶋淳郎監督)
「自分も含めて立ち上がりは思っている以上に堅くなり、相手の勢いにのまれてしまった」(栃木SCユース・坂本昂優)
先手を取るか・取られるか。たった1ゴールが命取りにもなりかねない重大なゲームで、栃木SCユースの選手たちにはやや普段とは異なる緊張が見られた。
それでも、時間の経過とともに栃木SCユースの選手たちは、大一番のなかで勝つために準備した狙いを忠実に実行していく。真岡の鋭い出足を裏返すために意識した長いボールからFW坂本昂優(3年)が前線で起点となって落とし、吉野陽翔(1年)が鋭く右足を振り抜いて決定機にありつく。特徴的だったのは右サイドのスローイン。サイズのある小堀空(1年)が起点となってクロスを強引に入れるか、最低でも相手DFに当ててCKを奪い取るような愚直な攻撃を繰り返しながらしぶとくチャンスを構築していった。
先手を取りたい栃木SCユースは、折り返した後半序盤にギアチェンジ。相手を自陣に押し込むと、真岡守備陣の必死の抵抗のなかで生まれたフリーキックから再三ゴールに迫っていく。だがゴールを押し込めずに時間だけが経過していくと、逆に試合終盤になってもプレッシングの足が衰えない真岡のボール奪取からの素早い反攻に遭い、あわや失点という決定的なシーンを作られてしまう。1ゴールでも失えばもう後がない状況。その度に栃木市総合運動公園のメインスタンドが大きな悲鳴に包まれた。
それでも、優勝するためには最低1ゴールが必要な栃木SCユースが最終節の土壇場で底力を見せる。歓喜の瞬間が訪れたのは試合終了間際。大仕事を果たしたのは、エースの坂本だった。「苦しかったが最後に決めるのは自分だと思っていた。仲間がいいボールを繋いでくれた」。中盤で奪ったセカンドボールが素早く前線に供給される。ラストパスを受けた坂本が相手DFを冷静に交わし、そしてGKの脇下を通すように流し込むと、ついにネットは揺れた。ベンチメンバーが迎える列に身体全体で喜びを爆発させながら飛び込んでいくエースの坂本。苦しみ抜いた先に掴んだ待望の先制ゴールだった。その後一気に重いものから解き放たれるかのように勢いを増した栃木SCユースが真岡ゴールに襲い掛かって2ゴールを追加すると、試合はそのまま終了。栃木SCユースが栃木県U-18リーグ1部の優勝を決めて、今月下旬、12月22日と24日に実施される関東プリンスリーグ参入戦への出場を決めた。
試合後、浜嶋淳郎監督は厳しい試合を乗り切ったという安堵の表情を見せつつも「県リーグ優勝はあくまで通過点。今の1・2年生のことを思えば、プレー環境を向上させるためにもプリンスリーグ参入は絶対必要。あと2週間、しっかり選手たちと準備したい」と悲願達成に向けて強い決意を口にした。千金ゴールを奪ったエースの坂本も「ここまで来たら(プリンスリーグに)参入したいという気持ちが本当に強くなっている。後輩たちにいい置き土産をして終われたらいい」と、すでに2週間後の決戦を見据えていた。
■キャプテン神野淳のコメント
――難しい試合だった。
「見えない何かが取り付いたような試合だった。自陣から押し込んで攻め込みたかったが、相手もあることなのでセットプレーを中心に攻め込んだ。なかなかゴールが奪えず厳しい試合だったが、最後に坂本が決めてくれてだいぶ楽になりました」
――リーグ優勝を決めたことについては?
「優勝は嬉しいですが、ここは通過点。チームの目標はあくまでプリンスリーグ参入です。今日も良いところもあれば課題もたくさんあったので、2週間後の参入戦の初戦(帝京高校)に向けてしっかり準備したいと思います」
――自信は?
「あります。自分たちが今までやってきたことを信じてやり抜くだけです」
■関東プリンスリーグ参入戦の予定
場所 前橋総合運動公園
12月22日 13時半~ 帝京高校戦
12月24日 13時半~ ヴァンフォーレ甲府U-18 or 千葉県代表の勝者
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