【無料記事】【レポート】ヴェルフェたかはら那須 「関東制覇」断たれるも奮闘見せて4試合ぶり勝利 関東サッカーリーグ(KSL)1部
ヴェルフェ4試合ぶり勝利、アディショナルタイムに突き放す
第50回関東サッカーリーグ(KSL)1部は、7月31日までに後期第6節が終了した。
優勝を目指し、前期を2位で折り返しながら、後期に入って今季初の連敗を喫するなど思うように勝ち点を伸ばせずにいたヴェルフェたかはら那須。30日に行われた同節の一戦で、首位の東京23FCがVONDS市原FCに勝利したことから勝ち点差が13にまで広がってしまい、31日のFC KOREA戦を前に「関東制覇」の夢は断たれた。
その中で迎えたKOREA戦は、一進一退の攻防を繰り広げながらも、積極性に欠けるプレーでネットを揺らすまでに至らない攻撃陣に対し、前半途中にはDFラインから苛立つ声も飛んだ。
しかし、後半は一変。ボールを持ったヴェルフェは、積極的に仕掛け、15分にDF遠藤雄二、MF益子義崇の2選手を投入して以降は、さらにボールが動く。すると30分、益子からパスを受けたMF関敏史が左斜めから低弾道のシュートを放つと相手守備陣をすり抜けてそのままゴールイン。先制後、やや攻めあぐねた感はあったものの、89分からピッチに立ったMF高秀賢史が、アディショナルタイムに入ってFW神村秀斗のFK、益子からのクロスをともに頭で合わせて連続ゴール。3-0としてヴェルフェの4戦ぶりの勝利を導いた。
同節終了時での通算成績は7勝4分け4敗で勝ち点25。首位の東京23との勝ち点差は10、4位のジョイフル本田つくばFCとは勝ち点差1で5位となっている。
KOREA戦について堀田利明監督は「(前節まで)3戦連続で無得点だったので、前半からどんどん行けと伝えて試合に入ったが、特に前半はDFにしてみればストレスのたまる内容だった」。攻撃に視点を向けると「前線の3人は、もっと得点することに拘ってほしい」と厳しく評価した。
15本のシュートを放った後半については「フィニッシュへの拘りが感じられた」と納得の表情で、特に途中出場の3選手を「それぞれが持ち味を発揮してくれた」と好評価。優勝には手が届かなくなってしまったが、残されたKSLの3戦に向けては「全て自分たちより上位のチームだが、ヴェルフェらしさを発揮して一矢報いたい」と奮闘を誓った。
ヴェルフェは、今季の目標だった関東制覇と全国社会人選手権出場を逃すこととなった。しかし、KOREA戦の後半の戦いぶりからは、一丸となってチームの存在感を示そうという姿勢が伝わってきた。
KSLが一時中断となる期間には、天皇杯県予選(栃木トヨタ杯)でJ3の栃木SCと顔を合わせる。堀田監督は「パワーを発揮できるように試合を進め、ショートカウンターがはまれば善戦できる。自分たちも頑張っているというところを、一人でも多くの人に見せたい」と、J昇格後の栃木SCとは初の公式戦での激突を心待ちにしているようだった。
(文・写真 永島一顕)
◆FC KOREA戦の出場選手
GK①小林 庸尚
DF③上沢 拓也
DF㉗高野 修栄
DF⑥秋谷 直紀
MF②箕輪 圭祐→60分DF㉔遠藤 雄二
MF⑧髙橋 祐樹
MF⑮小林 俊介→60分MF益子義崇
MF⑪関 敏史
MF⑩小野 優二
FW㉙森本 恭介→89分MF⑦高秀 賢史
FW⑲神村 秀斗
〔得点者〕
75分 関敏史(A益子義崇)
90+2分 高秀賢史(A神村秀斗)
90+5分 高秀賢史(A益子義崇)
※後日、堀田監督の栃木トヨタ杯栃木SC戦に向けてのインタビュー掲載予定