「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【この人を見よ!】vol.57 昇り龍のごとく ~MF23 綱島悠斗~(24.11.2)

躍進する東京ヴェルディのなかで、成長著しいのが2年目の綱島悠斗だ。
空中戦の強さはもちろん、持ち前のフィジカル、リーチの長さを活かしたボール奪取。オフェンスでは局面を一変させる展開力を見せ、思いきった持ち上がりから決定機に絡む。第34節の浦和レッズ戦では、ついにJ1初ゴールをマークした。
どこまで遠くに飛んでいくのか。計り知れないスケール感を漂わせる大器である。

■彼にとってのプライベートは

東京ヴェルディオフィシャルサイト、選手紹介のQ&Aコーナー。「2024年のプライベートな目標や挑戦したいことは?」との問いに、「新しいことに挑戦する!」とあった。

今年も残り3ヵ月を切っている。どんなことに挑戦したのか、そろそろ回答を聞き出す頃合いだろう。

「新しいことにはいろいろと挑戦していて、まずは専門家の指導によるメンタルトレーニングを始めました。また、個人分析もスタートしていますね」

えっ、と不意を突かれた。設問の意図としては、選手の横顔を知れるカジュアルな回答が期待されたものである。たとえば、新たな趣味としてサーフィンに興味がある、といった具合の。ほかの選手はその類いのアンサーで欄を埋めていた。「うわ、そうなんだ……」と綱島は口ごもる。

「自分の意図としては、サッカーに100%向き合うための新しいことだったんです。去年まではやらなければと思いながらも、時間や費用の問題があってなかなか踏み切ることができなくて。今年はそれを解放し、新たな目標に向かって進みたい。だから、そういった意味でのプライベートは何も新しいことがないです。ほかに英語の勉強を始めましたから、オフはけっこう忙しくしています」

ピッチ外の時間もすべてはサッカーのため。考えていた方向に話は展開しなかったが、選手として成長していくことに全神経を集中し、結果、周囲とズレている感じがまさに現在の綱島悠斗を表しているように思えた。

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