「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】検証ルポ『2023シーズン 緑の轍』 第五章 マテウス「昇格を成し遂げなければ、いずれ僕のことは忘れ去られるだろう」(23.12.29)

唯一、リーグ戦全試合フルタイム出場を達成したマテウス。リーグ最少失点の立役者だ。

唯一、リーグ戦全試合フルタイム出場を達成したマテウス。リーグ最少失点の立役者だ。

第五章 マテウス「昇格を成し遂げなければ、いずれ僕のことは忘れ去られるだろう」

■選手たちが手にした自信

スコアを動かしたのは、東京ヴェルディの鋭利なカウンターだった。

綱島悠斗が相手のパスをカットし、染野唯月を起点にロングカウンターがスタート。齋藤功佑が体勢を崩しながらワンタッチで綱島につなぎ、右サイドを駆け上がってきた中原にボールが渡る。長い距離を走ってきた森田晃樹がニアゾーンを取り、中原からのスルーパスが届いた。森田は身体をひねりながらワンタッチで折り返し、ニアに入った染野の後ろをボールが抜ける。そこに綱島が飛び込み、右足を合わせた。

2023シーズン、J2最終節。大宮アルディージャのホーム、NACK5スタジアム大宮に乗り込んだ東京Vは、63分に先制点を奪う。

ゴールに至った一連のプレーは、アイデアとオートマティズムの結晶体だ。この得点シーンには、城福浩監督の1年半に及ぶ取り組みで徹底してきた要素がふんだんに詰まっていた。早く相手陣に入ること。止まることなく連続して動くこと。ニアゾーンを取ること。ボックスでのワンタッチの徹底。確実に誰かがニアに入り、後ろから飛び込むこと。粘り強くトライし続けてきたことが、こうして実を結んだ。加えて、シーズン大詰めの段階で、課題だったカウンターの精度が武器として使えるほど間に合ったのが大きい。

東京Vは82分に中原が追加点を奪い、2‐0で大宮を下す。自動昇格争いは、ジュビロ磐田が清水エスパルスをまくって2位でJ1昇格決定。東京Vは磐田と同じ勝点75ながら得失点差で劣り、3位でJ1昇格プレーオフに回ることになった。

城福浩監督はレギュラーシーズンを振り返り、次のように語っている。

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