「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-34[H] レノファ山口FC戦『かくして、チームは像を結ぶ』(23.9.10)

2023年9月9日(土)
J2第34節 東京ヴェルディ vs レノファ山口FC
18:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]6,549人 [天候]曇、無風、気温26.3℃、湿度62%

東京V 2‐0 山口
前半:2‐0
後半:0‐0
[得点]
1‐0 谷口栄斗(10分)A中原輝3
2‐0 稲見哲行(25分)A中原輝4
※A=アシスト、及び今季の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK1   マテウス
DF6   宮原和也
DF3 谷口栄斗
DF5   平智広(66分 千田)
DF26 加藤蓮(80分 奈良輪)
MF47 中原輝
MF8   齋藤功佑(66分 山田)
MF7   森田晃樹
MF25 稲見哲行
MF14 長谷川竜也(46分* 新井)
FW39 染野唯月(88分 河村)
(ベンチメンバー:GK41飯田雅浩。DF15千田海人、24奈良輪雄太。MF23綱島悠斗、40新井悠太。FW27山田剛綺、29河村慶人)

監督 城福浩

試合データなど(東京ヴェルデ オフィシャルサイト)

■何かを変えなければ

右サイド、縦に仕掛ける河村慶人が相手に当ててコーナーキックを獲得した。

後半アディショナルタイム目前の88分。2‐0で東京ヴェルディが勝点3を持った状態にある。東京Vのベンチ前では、城福浩監督が奈良輪雄太に何かを伝えていた。

キッカーの中原輝は助走を取らない。山田剛綺が駆け寄り、コーナーフラッグ付近でボールキープに入った。

2点リードの状態で、1‐0の戦い方をする。通常ならチョイスしないだろうこのプレーが、勝利への強い執着を物語っていた。

サッカーは何が起こるかわからない。勝負師はその怖さを知っている。誰よりも早く危険な匂いを嗅ぎつける。

まして、東京Vはホームで11試合、勝ち星から遠ざかっていた。後半の半ばを過ぎてからレノファ山口FCの攻撃にゴールを脅かされるシーンが続き、万が一、この状況から勝点を取りこぼすことがあれば昇格争いを戦う資格を失う。

「ホームで勝てていない現状を、われわれが打破していかなければならない」この試合に向けて語っていた指揮官の覚悟の表れである。

以降、東京Vはゴール前のピンチを身体を張ったディフェンスで防ぎ、カウンターの好機を逸し、時間を使えるところは使いながらアディショナルタイムの5分を消化。味の素スタジアムは約5ヵ月ぶりの歓喜に沸いた。

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