【トピックス】検証ルポ『2022シーズン 緑の轍』第七章 河村慶人「あのひと言で、もう一段ギアが上がった」(22.12.14)
第七章 河村慶人「あのひと言で、もう一段ギアが上がった」
■城福監督のマネジメント術
トレーニングが始まって15分程度過ぎた頃だったか。ある選手が城福浩監督のところに走ってきて、神妙な顔をして立っていた。
ははん、練習をトチりやがったな――。若い時分、極度の夜行型だった僕はめっぽう朝が弱く、致命的な遅刻を何度もやらかしてきた。完全にそっち側の人間に、失態をあげつらう資格はない。枕もとの時計を見て、すーっと血の気が引く感じ、気まずさがとてもよくわかる。
この際、注目されるのは城福監督の対処だった。
何を不問に付し、何を看過できないとするのか。物事の基準をはっきりさせることがマネジメントの要諦だ。ここがブレると人は付いてこない。生じたノイズはやがて大きくなり、チームを揺るがすことになる。
さて、どうするかな、次節のメンバーは。誰の目にも明らかなエラーは格好の参考事例だった。
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