「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】検証ルポ『2022シーズン 緑の轍』第一章 梶川諒太「今年が勝負。僕は彼らと一緒にJ1でやりたい」(22.11.21)

シーズンを通して、梶川諒太の強いリーダーシップによってチームは支えられた。

シーズンを通して、梶川諒太の強いリーダーシップによってチームは支えられた。

第一章 梶川諒太「今年が勝負。僕は彼らと一緒にJ1でやりたい」

■開幕直前のアクシデント

もう20年近く前の話だ。

当時はJ1で日常的に多くの記者がクラブハウスに出入りしていた。練習が始まるのを待ちながら、今日は誰が最も早くグラウンドに入ってくるか、予想に興じたことがあった。当然、ランドに足繁く通っているほうが有利で、観察眼やデータの蓄積量がモノを言う。負けたほうは缶コーヒー1本のおごりだ。

現在の東京ヴェルディにおいて、この賭けは成立しない。

2022シーズンの開幕週。メディア向けにトレーニングが公開された2月15日、今日も一番乗りは梶川諒太である。

片ひざをついてスパイクの紐を結び直し、ピッチの感触を確かめるようにドリブルを始める。ぽーんと頭上に蹴り上げ、つま先できれいにトラップ。その様子を横目に見ながら、僕はグラウンドに入ってくる選手をひとりずつ数えた。

10時半、堀孝史監督の周りに選手が集まり、練習が始まる。輪の小ささ、つまり選手の少なさに不安を覚えた。本来、登録されているフィールドプレーヤーが29人、ゴールキーパーが4人で計33人のところ、何度数えても23と3の26人しかいない。

3週間前のトレーニングマッチで右アキレス腱断裂の重傷を負った阪野豊史の不在はわかっていたが、ンドカ・ボニフェイス、山口竜弥がいないのはどうしたことか。しばらくして、端戸仁、奈良輪雄太、バスケス・バイロン、マテウスは別メニュー調整でグラウンドに姿を見せた。

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