「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【直前インフォメーション】J2-41[H] アルビレックス新潟戦のポイント(22.10.15)

影となり日向となりチームを支えてきた梶川諒太。その献身が報われてほしい。

影となり日向となりチームを支えてきた梶川諒太。その献身が報われてほしい。

J2第41節、9位の東京ヴェルディ(勝点55/14勝13分13敗 得失点+4)は、1位のアルビレックス新潟(勝点81/24勝9分7敗 得失点+38)と14時から味の素スタジアムで対戦する。オレンジの壁を乗り越え、5連勝の達成を。

■緑色との付き合い方

試合2日前、城福浩監督のオンライン囲み取材、東京ヴェルディのクラブカラーである緑への愛着度合いに話が及んだときだった。

「もともと緑色は好きなほうで……ただ、これは伝え方が難しいですね。困ったな。どう言ったらいいのか」

城福監督は苦笑し、モニターに映る記者たちの顔も事情を察して笑っている。たぶん、軽はずみなことを言って、かつてともに戦ったFC東京の人たちをむやみに傷つけたり、失望させたくないと考えているのだろう。

「昔からわりと緑の物は持っていて、服とかですね、ただし、身に着けるのは控えたほうがいい状況もありまして……。この話、もし表に出す際は気をつけてもらっていいですか?」

過去と現在は地続きで、全部ひっくるめてその人の歴史である。何を隠し立てすることがあろう。

FC東京の立ち上げから携わってきた城福監督は、ヴェルディ何するものぞの反骨精神でクラブづくりに尽力してきた。そんなときに緑をチラつかせていたら情緒がどうかしている。分別ある大人のやることではなく、身の回りから徹底排除するのが正しい。

こちらとて城福監督の青赤時代は、何がムービングフットボールじゃい、おととい来やがれと思っていたのだからお互いさまだ。

世の中は、なんでもスパッと断言する話し手が好まれがちだが、そんな人よりためらいを帯びた言葉を紡げる人のほうがどれほど信を置けるか。もし城福監督から「すっかり身も心も緑ですよ」なんて軽口を聞かされたら、僕は喜ぶどころか人物の薄っぺらさに落胆していただろう。

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