「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-40[A] いわてグルージャ盛岡戦『4連勝。そしてクライマックスへ』(22.10.9)

2022年10月8日(土)
J2第40節 いわてグルージャ盛岡 vs 東京ヴェルディ
17:03キックオフ いわぎんスタジアム
[入場者数]3,256人 [天候]曇、中風、気温12.3℃、湿度89%

岩手 0‐2 東京V
前半:0‐0
後半:0‐2
[得点]
0‐1 染野唯月(68分)A奈良輪雄太2
0‐2 ンドカ・ボニフェイス(75分)A河村慶人3
※A=アシスト、及び今季の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK1   マテウス
DF24 奈良輪雄太
DF3   ンドカ・ボニフェイス
DF23 谷口栄斗
DF26 加藤蓮(81分 山越)
MF18 バスケス・バイロン(61分 佐藤凌)
MF15 馬場晴也(88分 稲見)
MF7   森田晃樹
MF4   梶川諒太(61分 加藤弘)
FW29 河村慶人
FW30 染野唯月(81分 阪野)
(ベンチメンバー:GK21長沢祐弥。DF2深澤大輝、16山越康平。MF17加藤弘堅、25稲見哲行。FW13阪野豊史、27佐藤凌我)

監督 城福浩

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■思いがけない気候のアシスト

バックスタンドの右手に、十三夜のでかい月が浮かぶ。この際、お月さまがまん丸だろうと、風情があろうがなかろうがどうでもよい。欲しいのはただひとつ。ゴールだ。

後半が始まって20分が経過してもゲームは動かない。

いわてグルージャ盛岡は最終ラインを5枚にし、その前に4枚を並べて堅固なブロックを敷く。一方的に押し込む東京ヴェルディは敵陣でボールを回してチャンスをひねり出そうとしており、これをやり続けるしかないのはわかっているが、心中穏やかではいられない。時計の針が進むごとにやきもきしてくる。

そのとき森田晃樹は相変わらず冷静にボールを動かしながら、別のことを考えていた。

「後半になって夜露が降りてきて、芝が濡れてパス回しがやりやすくなっていった。相手の動きも少しずつ落ちていたので、このままいけばきっとどこか空いてくるはずだと」

一方、寒さに備えてダウンジャケットを着込む僕は、なぜ17時キックオフなのか、日の出ている14時や15時でもよかったのではないかと恨めしく思った。しかし、これは思いがけない幸運を運んできたのかもしれない。

日が落ちてから気温はぐんぐん低下し、湿度は89%とピッチが水分を含んでくる気候条件を満たす。ボールをスピーディに走らせる露のしずくはこっちの味方だ。

そして、「あんなきれいなスルーパスは練習でも見たことがない」と森田が笑う、佐藤凌我のアイデアから突破口が開かれる。

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