「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-36[H] ブラウブリッツ秋田戦『イチから出直しだ』(22.9.15)

2022年9月14日(水)
J2第36節 東京ヴェルディ vs ブラウブリッツ秋田
19:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]1,863人 [天候]晴、無風、気温25.1℃、湿度47%

東京V 0‐2 秋田
前半:0‐1
後半:0‐1
[得点]
0‐1 才藤龍治(45+1分)
0‐2 オウンゴール(82分)
※A=アシスト、及び今季の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK1   マテウス
DF16 山越康平(46分* 加藤蓮)
DF3   ンドカ・ボニフェイス
DF5   平智広
DF23 谷口栄斗
MF29 河村慶人
MF17 加藤弘堅(79分 梶川)
MF7   森田晃樹(61分 小池)
MF9   杉本竜士(51分 馬場)
FW30 染野唯月
FW13 阪野豊史(46分* 佐藤凌)
(ベンチメンバー:GK21長沢祐弥。DF15馬場晴也、22佐古真礼、26加藤蓮。MF4梶川諒太、19小池純輝。FW27佐藤凌我)

監督 城福浩

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■なりふり構わず実利を重んじた一戦

右から山越康平、ンドカ・ボニフェイス、平智広、谷口栄斗。最終ラインに4人のセンターバックが並ぶ。

機動力や攻撃の厚みと引き換えに、高さと強さに針を振った布陣だ。片翼は残すのではないかと僕は考えたが、城福浩監督は秋田対策を徹底してきた。12日のトレーニングには山口竜弥や奈良輪雄太の姿がなく、ただでさえ層の薄いサイドの選手にアクシデントが続発していることもいくらか影響したか。

味の素スタジアムへと向かう南武線の車中、スマホで先発メンバーを確認した僕は指揮官の意図を推し量る。フラットに近い状況であれば、このような選択になっただろうか。おそらくは否。最後に勝ち星を挙げたのは、8月6日のJ2第30節のV・ファーレン長崎戦(1‐0○)である。以降、2分3敗と5試合(天皇杯を入れれば6試合)、勝利から遠ざかっている。

監督就任から3ヵ月とまだ短い付き合いだけれども、城福監督の勝利へのこだわりの強さを疑う人はひとりもいまい。一方で、「日本人が最も力を発揮できるサッカー、進むべき道を提示する」という壮大な目標を掲げ、長期的なスパンでチームづくりを進めてきた。計画の過程においては、なりふり構わず実利を重んじなければならないポイントがある。今日は、その日だ。

ブラウブリッツ秋田はロングボールを基軸とするダイナミックな攻撃が武器。また、セットプレーからの得点、2次攻撃も得意とする。そこで、攻撃の機能性やバリエーションを犠牲にしても、失点につながるまぎれの要素を極力排除したい狙いが見て取れた。今季の可能性を残し、この先の流れをつくるためにどうしても勝点3が必要だった。

(残り 2691文字/全文: 3800文字)

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