「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【直前インフォメーション】J2‐9[H] ロアッソ熊本戦のポイント(22.4.9)

全体練習終了後、シュート練習に取り組む石浦大雅。

全体練習終了後、シュート練習に取り組む石浦大雅。

J2第9節、2位の東京ヴェルディ(勝点18/5勝3分0敗 得失点+9)は、16位のロアッソ熊本(勝点9/2勝3分3敗 得失点-3)と15時から味の素スタジアムで対戦する。戦列に復帰した選手たちを加え、競争はさらに激化。互いに高め合うパワーをチーム力の向上につなげたい。

■選手たちは残り時間を惜しむように

6日午前、立川から南武線に乗った僕は、今日は分倍河原で京王線に乗り換えるんだぞ、と頭で念じながら電車に揺られていた。己のおっちょこちょいは自覚しており、くどいほど言い聞かせなければいつもの習性で稲田堤まで行きかねない。

AGFフィールド(味の素スタジアム西競技場)でのトレーニングを取材するのは初めての経験だった。ランドと比べ、ピッチはクッションが効いており状態は格段によい。だが、その一方で制限を受けるところもある。

12時頃に全体練習が終了し、長島裕明コーチが「あとどれくらい使える?」とスタッフに訊ねる。後藤雄一マネージャーは「ミーティングの時間を差し引き、20分は大丈夫です」と答えた。

施設自体は前後の時間を含めて使用できるが、ピッチは2時間を厳守。10時からミーティングがあり、10時20分頃からトレーニングが始まったため、12時20分までは使用可というわけだ。

少し離れた場所から、グラウンドキーパーがトレーニングの様子をあたたかな目で見守っている。翌日も東京Vが使用することになっており、このあとのケアに思いを巡らせているのだろう。本体、芝生はそれほどデリケートで、細心の注意を払って扱うべきものなのだ。

ここで、多くの読者が同じ光景を、目を背けたくなるような残忍な眺めを頭に浮かべているのではないかと僕は想像する。ピッチを駐車場にも代用できるという発想、及びためらいのなさは、よほどの無教養で、他者が心血を注ぐ仕事への敬意や想像力が欠如していなければできない所業である。

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