「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】検証ルポ『2021シーズン 緑の轍』第五章 苦境を経て芽生えたもの(21.12.27)

チームの屋台骨を支える小池純輝と梶川諒太。12月25日、小池の契約更新、梶川の完全移籍での加入がそろって発表された。

チームの屋台骨を支える小池純輝と梶川諒太。12月25日、小池の契約更新、梶川の完全移籍での加入がそろって発表された。

第五章 苦境を経て芽生えたもの

■渦の中心に梶川諒太

「ダイキ、あそこでミスったらあかんぞ」

7月下旬から行われた十勝キャンプ、北海道十勝スカイアースとのトレーニングマッチ(5‐1○)のあとだった。クールダウンを行い、ピッチをゆっくりと往復する梶川諒太が、深澤大輝とすれ違いざまに言ったのが僕の耳に入った。深澤は「はい」と短い返事を返した。

十勝戦、深澤が自陣の深い位置でボールロストしたシーンを指していると思われた。サッカーはミスのスポーツと言われるが、失敗にも善し悪しがあり、すべてをなあなあで済ませていては進歩がない。プロのレベルなら犯してはいけないエラー。梶川はその点を念押ししたのだろう。

ベテランが若手に対して珍しく指摘したのを運よく耳にしたのか、それとも日常的にあるやり取りなのか。僕は後者だと推測する。ピッチ上、四方八方に声を飛ばす姿勢が、試合中だけのはずがない。

このときはまだ、梶川がシーズン終盤のキーマンになるとは思っていなかった。

(残り 1893文字/全文: 2439文字)

ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。

ウェブマガジンのご案内

日本サッカーの全てがここに。【新登場】タグマ!サッカーパック

会員の方は、ログインしてください。

1 2
« 次の記事
前の記事 »

ページ先頭へ