「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【マッチレポート】J2-35[H] ジェフユナイテッド千葉戦『最後の分岐点』(21.10.25)

2021年10月24日(日)
J2第35節 東京ヴェルディ vs ジェフユナイテッド千葉
14:03キックオフ 味の素スタジアム
[入場者数]3,508人 [天候]晴、無風、気温17.3℃、湿度35%

東京V 1‐5 千葉
前半:1‐3
後半:0‐2
[得点]
0‐1 船山貴之(6分)
1‐1 山下諒也(23分)A杉本竜士1
1‐2 田口泰士(33分)
1‐3 福満隆貴(44分)
1‐4 福満隆貴(47分)
1‐5 新井一耀(54分)
※A=アシスト、及び今季の通算数。東京Vのみカウント。

●東京Vスターティングメンバー
GK31 マテウス
DF2   若狭大志
DF22 馬場晴也
DF15 ンドカ・ボニフェイス
DF6   山本理仁
MF14 石浦大雅(46分* 佐藤凌)
MF9   佐藤優平(76分 加藤)
MF7   森田晃樹(86分 阿野)
FW11 山下諒也(59分 梶川)
FW19 小池純輝
FW30 杉本竜士(59分 新井)
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF16福村貴幸。MF4梶川諒太、13新井瑞希、17加藤弘堅、20阿野真拓。FW27佐藤凌我)

監督 堀孝史

試合データなど(東京ヴェルディ オフィシャルサイト)

■山下諒也、今季6点目

田口泰士が大外でフリーになっている福満隆貴を見落とすはずもなかった。ファーサイドを目がけてクロスを入れ、福満の折り返しのボレーは高くバウンドしたが、ボックス内、船山貴之が馬場晴也を抑えてヘディングシュートを決める。

「完全に自分のところで競り負けた。千葉はクロスからの得点が多いという分析があったなか、ああいった形での失点。本当に、あの1失点目で今日の試合が決まってしまったぐらいの反省があります」(馬場)

6分、東京ヴェルディはジェフユナイテッド千葉のファーストシュートで失点してしまう。そんなバカなと思えないのがつらいところだ。

ゲームの立ち上がり、東京Vのボールの動かし方はよかった。千葉のプレスをいなし、右へ左へ動かしながら前進できてきた。前節のギラヴァンツ北九州戦(2‐2△)、ほぼ機能しなかったトップの小池純輝にもくさびのパスが3本入っている。

ところが、ボールを失い、受けに回らされると尋常ではなく脆い。

攻撃の起点となった田口には森田晃樹が付いていた。田口はボールを横に動かし、リターンパスを受ける際には数メートル近寄って自由にプレーできる時間をつくった。田口が単にボールを往復させただけなら、森田は問題なく距離を詰められていただろう。

大外からフリーで侵入してくる相手を勘定に入れて守れないのは、この試合に限らずあった重大なウィークポイントだ。これまでの取り組みにおき、数的優位をつくってボールを握り、適切な距離感、密度の濃い空間をクリエイトしていく都合(サイドバックを中に入れるのもその一環。詳細はここに記した)、リスクの少ない相手の大外は捨てても構わないという取り決めはたしかにあった。しかし、それはボールの位置がミッドフィールドより上にあるのが条件で、自陣のゴール前はその限りではない。そういった基本的な規律が失われている。

最後、馬場なら防いでほしかった場面ではある。だが、それは失点の原因の一部に過ぎない。

(残り 2201文字/全文: 3486文字)

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