【トピックス】検証ルポ『2019シーズン 緑の轍』終章(19.12.30)
終章 ただ、すれちがうだけ
■現場と強化のトップの関係
12月7日、東京ヴェルディは筑波大とのトレーニングマッチで今季の活動を締めくくった。
最後の1週間、若手中心のメンバーに移行してからは、連日ハードなフィジカルトレーニングを課した。永井秀樹監督は「来年のキャンプでは相当やりますよ。相当、ね」と予告し、不敵に笑う。
つくづく、昨季までチームを率いたロティーナ監督(現セレッソ大阪)とは真逆のアプローチだ。「コンディショニングを重視するやり方自体は理解できる。ただ、世界トップレベルのスペインならいざ知らず、ワールドカップでベスト8にも入ったことのない国が同じことをやってどうするの?」というのが永井監督の考えである。
手法は異なりながら、意をともにする言動も見られた。ロティーナ監督が「J1昇格」を決して口にせず「日々成長」と言い続けたように、永井監督も「日々、いいサッカーを追求していく」と語っている。
チームを強くするため、勝つための方法論はひとつではない。僕のなかには、来季の東京Vが目指すスタイルを形にし、躍進してほしい願う一方、こんなんでうまくいってたまるかよというやさぐれた気持ちがある。
例年、このシリーズのラストの章が僕にとって年内最後の仕事、つまり書き納めになる。本来は何があろうとせめてすっきりした気分で年を越したく、さわやかな風味を残したいと心がける。あらかじめ断っておくが、今年はそうならない。
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