【マッチレポート】2018 J1参入プレーオフ1回戦[A] 大宮アルディージャ戦『瀬戸際をしのぐ』(18.11.26)
2018年11月25日(日)
2018 J1参入プレーオフ1回戦 大宮アルディージャ vs 東京ヴェルディ
13:03キックオフ NACK5スタジアム大宮
[入場者数]11,858人 [天候]晴、無風、気温13.3℃、湿度57%
大宮 0‐1 東京V
前半:0‐0
後半:0‐1
[得点]
0‐1 平智広(71分)
●東京Vスターティングメンバー
GK21 上福元直人
DF23 田村直也
DF3 井林章
DF5 平智広
DF4 香川勇気
MF8 内田達也
MF20 井上潮音
MF33 渡辺皓太(64分 李)
FW24 奈良輪雄太(71分 レアンドロ)
FW16 佐藤優平
FW11 林陵平(74分 若狭)
(ベンチメンバー:GK1柴崎貴広。DF2若狭大志。MF17李栄直、38梶川諒太。FW7アラン・ピニェイロ、10レアンドロ、29森俊介)
監督 ロティーナ
■内田達也を失う緊急事態
強い西日の照らすNACK5スタジアム大宮のピッチ、高山啓義主審の手から赤いものがのぞいた瞬間、Hostia(オスティア)とつぶやく声が耳元で聞こえた気がした。マジかよ、なんてこったいを意味するスペイン語のスラング。悪い出来事のみならず、感激や驚嘆を表すときなどさまざまな局面で便利に使われ、スペインが身近になった東京ヴェルディのクラブハウスではよく耳にする。
J1参入プレーオフ1回戦、両者得点なく迎えた59分、内田達也が2枚目のイエローカードを受け、退場を言い渡される。風雲急を告げるアクシデント。これで否応なしにゲームのバランスは崩れ、変転する。ただでさえ、東京Vはレギュレーションのビハインドを背負い、より困難な状況に足を踏み入れた。
開始からここまで、東京Vはボールを握り、試合を優位に進めてきた。[4‐4‐2]の3ラインを形成する大宮アルディージャはリトリートディフェンスを敷き、カウンター狙い。それに対するケアも東京Vは行き届いており、井上潮音が浮いたポジションを取るマテウスを適度に泳がせ、そのじつはしっかり捕まえていた。
「あそこまで自分たちがボールを持てるとは思わなかったですね。相手はもっと前からくるだろうと考えていたので」(渡辺皓太)
ほとんどは外回りのボールの動かし方に終始しつつ、ライン間に立つ佐藤優平にパスが入ったときはチャンスが匂った。あとは放り込むクロスのこぼれ球、そこに誰かいればと何度も思わされたが、チームのバランス上、前を厚くするほどの人数をかけられない。
「たしかに決定機という決定機はつくれませんでしたが、その焦りは全然なかった。ボールを持つことができ、失った際もすぐに奪い返すことができていました。後半になれば相手の動きが落ちてくるだろうし、このやり方を続けていくのが大事だと」(林陵平)
概ね、形勢は悪くない。しかし、時間は限られている。大宮の守備網を破る、あとひと押しを欠いていたのは事実だった。
しびれを切らしたロティーナ監督が動こうとした矢先、冒頭の緊急事態だ。低くうなるような声音のHostiaは空耳に違いないが、あながち現実離れしたものでもないだろう。
(残り 1847文字/全文: 3247文字)
この記事の続きは会員限定です。入会をご検討の方は「ウェブマガジンのご案内」をクリックして内容をご確認ください。
ユーザー登録と購読手続が完了するとお読みいただけます。
会員の方は、ログインしてください。
外部サービスアカウントでログイン
Twitterログイン機能終了のお知らせ
Facebookログイン機能終了のお知らせ