「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【トピックス】検証ルポ『2017シーズン 緑の轍』第一章 船出(17.12.23)

2017シーズンから東京ヴェルディを率いることになったロティーナ監督(中央)。両脇を固めるのは、イバンコーチ(左)と小寺真人通訳。

2017シーズンから東京ヴェルディを率いることになったロティーナ監督(中央)。両脇を固めるのは、イバンコーチ(左)と小寺真人通訳。

第一章 船出

■お嬢ちゃん、はいプレゼント

晩秋の昼下がり、僕はクラブハウスの出口で知り合いのサポーターと雑談していた。両親と小さな女の子の家族。べらぼうに人懐こい少女は、ほとんどの選手と顔見知りである。

そこへ、ジーンズ姿のロティーナ監督が出てきた。駐車場に向かうロティーナ監督に少女が手を振る。すると、こちらに歩み寄ってきたロティーナ監督は腰をかがめ、鞄から取り出したものを少女に渡した。

ブロマイドだった。まだ髪が黒く、赤のジャージー姿。ということは、CDヌマンシア、それともCAオサスナの監督時代か。いずれにせよ、おっさんのブロマイドだ。おぬしにはまだ価値がわからんだろうと僕は思うのだが、「ロティーナさんだあ」と少女ははしゃいでいた。

この商品化を目的としないブロマイドについては、ロティーナ監督からクラブに要望があったとのちに聞いた。来年には東京ヴェルディバージョンのブロマイドが子どもたちにプレゼントされることだろう。

「オラー」と言い、陽気に去るロティーナ監督の後ろ姿を見ながら、僕は期待と不安の入り混じった今季のスタートを思い起こしていた。

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