【無料記事】【直前インフォメーション】J2‐42[A] FC岐阜戦のポイント(2016/11/20)
J2第42節、東京ヴェルディ(18位=勝点43/10勝13分18敗 得失点-16)は、FC岐阜(20位=勝点40/11勝7分23敗 得失点-26)と、岐阜メモリアルセンター長良川競技場で対戦する。
19日、東京ヴェルディは冨樫剛一監督の退任を発表。ラストゲームを勝利で飾れるか。
■冨樫体制に終止符が打たれる
FC岐阜との一戦は、東京Vの2016シーズンを締めくくるとともに、冨樫体制に終止符を打つゲームとなる。
2014年9月、当時東京ヴェルディユースを率いていた冨樫剛一監督はトップの指揮官に抜擢され、J3降格の危機からチームを救った。引き続き指揮を執った2015シーズンは、一時3位まで浮上する快進撃を見せたが、最終順位は8位。手中に収めかけた昇格プレーオフ進出を逃した。となれば、就任3年目を迎えた今季のターゲットは明確。昇格争いに絡み、勝ち抜くことを目標に掲げたシーズンだった。
ところが、その目論見は外れる。東京Vは開幕戦の北海道コンサドーレ札幌戦を勝利し、最高のスタートを切ったものの、その後勝点が伸び悩んだ。大崩れこそしなかったが、シーズン中盤を過ぎてもエンジンの回転が上がらず、とうとうリーグ戦の連勝はなし。実質、昇格の望みは早い段階でついえた。
試合を想定したトレーニングは最後となる今週、冨樫監督の様子に特に変わったところはなかった。いつものように笑顔を浮かべながら選手たちの動きを眺め、明るい声で指示を出し、練習が終わってもグラウンドに残って選手とコミュニケーションを取る。クラブハウスに引き上げる際、サポーターに対する丁寧な対応もこれまでどおり。
僕たちメディアの人間は、それらがすべて終了したあと、取材の時間を設けてもらっている。とある夏の日、いつまで経っても冨樫監督が戻ってこないときがあった。いったい、外で何をしているんだろうと覗きに行くと、クラブハウスの玄関前で少年と話していた。おそらく30分はそうしていたはずだ。
「夏休みの宿題、課題研究なんだってさ。自分が興味を持った職業に就いている人に話を聞いてくる。あの男の子が、サッカー監督の仕事を知りたいと思ってくれたのはうれしいよね」
相手が誰だろうとテキトーにあしらうということをしない人だった。