「スタンド・バイ・グリーン」海江田哲朗

【無料記事】【直前インフォメーション】J2‐40[A] 松本山雅FC戦のポイント(2016/11/06)

J2第40節、東京ヴェルディ(15位=勝点43/10勝13分16敗 得失点-13)は、松本山雅FC(2位=勝点78/22勝12分5敗 得失点+28)とアルウィン(松本平広域公園総合球技場)で対戦する。
前回の対戦では力の差をまざまざと見せつけられ、0‐4で敗れた。この試合で復帰する予定の井林章には、胸中期するものがあるに違いない。

■首位撃破の裏で

5日午後、井林章が笑顔でバスに乗り込んでいった。試合前日、東京ヴェルディは松本入りし、アルウィンでのゲームに備える。はたして、井林はスタートから起用されることになるのか。10月22日、J2第37節北海道コンサドーレ札幌戦の前に左ひざを痛め、約1週間の別メニュー調整。コンディションを回復させ、復帰にこぎ着けた。

「複雑でしたよ。自分が抜けたところ、チームが首位を相手に勝つ。この時期、残留争いでは非常に大きな勝点3です。チーム優先は当たり前で、しかもキャプテンの立場。うれしい、よかったという気持ちはもちろんありましたが、そうか、自分のいないここで結果が出るのかと」(井林)

以降、東京Vは愛媛FC、レノファ山口FCに引き分け、ディフェンスの柱を欠きながら無敗で勝点5を上積みしている。

長いシーズンでは、こういったことが起こる。主軸を欠いたチームが危機感を募らせて反発力を見せることがあれば、窮余の策として起用された選手がラッキーボーイになったり、たまたまタイミングの重なったメンバーが思わぬ組み合わせの妙を発揮することも。チームのバイオリズムの変化と、個人のパフォーマンスは必ずしも同期しない。計算し尽くせないところにサッカーの面白さは詰まっている。

人知を超えためぐり合わせの運、不運も含まれるが、そんなことは選手にとって気休めにもならないだろう。自分のいないチームが快挙を成した。調子が上向いた。その事実がすべてだ。

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