大宮花伝

【無料記事】完敗。J1クオリティーを体感した選手たちの胸中【天皇杯・鹿島戦/マッチレビュー】

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2017年までは同じ舞台で戦っていた選手たちと、こんなにも差が広がってしまったのだなと切なくなった。ミックスゾーンで近くから見た鹿島の選手たちは、まず体の厚みが違った。それに加えて威風堂々としたオーラもあって、ますます大きく見える。もちろんプレーの質は別格。J2に同等のチームはほとんどない分も衝撃は強い。大宮はこれまでJ1昇格を掲げてきているが、足元を見つめ直す必要がありそうだ。

河田は言う。「個のところは明らかに上回られたので、チームとしてのまとまりでなんとか戦っていたがやっぱり足が止まったときとか、ゴール前のところはJ1の力を見せつけられた」。栗本は「相手が強かった。それは結果が示す通りだし、見ている方もクロスの質などはわかりやすいところだと思う」と悔しがる。「そういった相手のうまさもありましたし、自分たちの不足している部分というのもあった」と語った。

目指すJ1と戦ったことで見えたものを教訓にしたい。

「できた部分とできない部分とやらせてもらえなかった部分とやらせてしまった部分をまずは選手たちが感じる」と相馬監督。その上で「明日からトレーニングのところで変化が出てくれば、またこれは我々にとっては力になっていくのかな」と話す。河田は「人がしっかり戦っておのおのポジションのところを奪っていく気持ちだとか、負けたくない気持ちは最低限出ていたとは思う。そういうところはチームにとってプラスかな」と前を向いた。

吉永は「アカデミー出身者の僕たちがJ1でプレーしていた金沢慎さん(現コーチ)のときにようにもっとやらないといけない」と責任感と強くする。「本当、目の色を変えて練習からやっていかないとあの舞台に戻れない」との危機感も。「一試合勝つことで満足するのではなくて、本当にJ1にいって定着しないと意味はない。そこは明日からまたみんなでやっていかないといけない」と誓いを新たにしていた。

相馬監督は就任して約1カ月が経ち、公式戦6試合で指揮を執ってチームがより見えたはずだ。「点を取らせないのと、自分たちが点を取るということのなかで、最後のクオリティーというところを全体として誰が出たにもかかわらず上げていかないといけない」と相馬監督。ここからは残り20試合のリーグだけに集中となる。目標の6位以内へ向けて一試合一試合の重みはどんどん増していくと心したい。

Text by 松澤明美

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