【大東京書簡】第十二信『ええのうと思うこと』海江田(24.7.12)
■クラブを象徴する選手の存在
この夏、平智広がツエーゲン金沢に完全移籍となった。在籍9年目の最古参がチームを去り、2019年、東京ヴェルディユースからトップに昇格した森田晃樹が最も在籍歴の長い選手となった。23歳の若さに、古参という言葉は似合わない。
J1のステージで戦っていること。近年新たな基準のもと急ピッチでチームをつくり直していること。選手生命には限りがあり、試合に出てナンボだということ。それらについて理解はしている。だが、理解と引き換えに、さみしさが消えるわけではない。気が済むまでさみしいままでいるのが、真っ当な態度に思える。
他方、FC東京、FC町田ゼルビアに対し、うらやましいという気持ちは一切持たない。そんな感情が湧くはずもない。あ、いっこありました。クラブカラーの青や赤は変化する品詞のバリエーションが豊富で、使い勝手がよろしいよね。「青」ひとつ取っても、「青い」「青さ」「青く」「青み」「青き」といろいろあって、「蒼」「碧」といった漢字で変化もつけられる。
緑はかたくなだ。「緑」「緑色」「グリーン」にだいたい「の」を付けてやり繰りするしかない。間を省いて「緑魂」、音読みでもじって「全緑」「総緑」などの使い方もあるが、ヘンに力みが出てふだん使いは気が引ける。
ライターをやっていて、マジで使いづれえなとかれこれ20数年思っている。もっとも、青と赤の2色を与えられた後藤さんは、おれの知らない苦労があるのだろう。
話が逸れた。
うらやましいとは思わないのだけど、両クラブを見て、ええのうと感じることはある。
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