【大東京書簡】第十一信『J1前半戦/KSL/巴里五輪』後藤(24.6.26)
◆シーズン前半戦が終了
今回の『大東京書簡』が公開になる頃は、J1はもうシーズン後半戦が始まっているけれど、まずは第19節まで終わったということで、前半戦を振り返っていきたいと思います。バシバシ軽快に書いていきます。
さて、一通り対戦を終えてどこが強かったか。これにはもちろん相性があるし、対戦した時期の互いの調子がどうだったかということもあるので一概には言えないけれど、まずガンバ大阪、それからサンフレッチェ広島とセレッソ大阪が、やっぱり強いなと思いましたね。ガンバからはまったく点を獲れる気がしませんでしたし、広島とセレッソには圧倒された。
えっと、ではFC町田ゼルビアや鹿島アントラーズはどうなの!? と訊かれると、順位ほどの強さは感じませんでした。ではなぜ首位を争う位置にいるのかと言えば、それは彼らが毎節、必死になって勝点3を獲りに行っているから。勝敗を決する要素はいくつもあって、それらに影響を及ぼす根本のところで、おそらく力が入っている。練習の時の、監督の声掛けひとつで変わってくるところもあるでしょうし、こうしているから町田や鹿島が勝者のメンタリティを持ち得ている──と言える材料は、私の手もとにはないわけなんですけれども、それでもいまのFC東京に足りないものを町田や鹿島が持っているとは言えるでしょうね。これもグラデーションで、東京も必死さが全くないわけではないんですけど、濃い、薄いで言えば、相対的に東京はそこが薄い。
リーグ全体の実力差が少なく、厳しいカテゴリーであるのは例年通り。そこで昇格直後の東京ヴェルディが10位で折り返したのは、素直にすごいと思っています。内容は最初からよかったですし、第10節まで7分で耐えて敗戦数を2に抑えていたことが、前半戦最終勝点に大きく影響しましたね。結局19試合でも4敗しかしていないですからね。敗戦数で比べれば町田、鹿島、ガンバ、セレッソ、アビスパ福岡と並んでいるわけなので、これはデカい。やっぱり、いいチームは敗戦数が少ないんですよ。広島なんて3ですからね。
あらためて順位表を見ると、町田、東京、ヴェルディの在東京3クラブが揃って1枚目というか、上半分に名を連ねていてなにより。東京をロンドンのようにするべく、これからも切磋琢磨していきましょう。
シュート精度が高い荒木遼太郎。松木玖生とのセットでより輝く?
◆どうなる関東リーグの東京勢
前回の担当回では歴史の深さについて触れたのですが、今回は階層の深さについて記そうかな、と。在東京Jクラブは3つ存在するわけですけれども、JFLから下のカテゴリーを見たら、それこそフットボールクラブは星の数ほどあって。そこが海ほど深い。ロンドンと同じではないけれど、十分豊か。そう考えると、FC町田ゼルビアもFC東京も東京ヴェルディも上澄みなんですよね。
もっと言ってしまうとクラブの略称ってどうにかならんものか、と思うこともしばしばです。まあ、アマチュアの分は置いておいて、Jクラブ同士を呼び分けるために呼称を決めておこうやということなんですけど(※町田/FC東京/東京V)、JFLに東京のクラブが2、関東サッカーリーグ1部に東京のクラブが4(※東京国際大学FCは東京ではない)、関東リーグ2部に東京のクラブが日本大学 N.を含めて2(※日立ビルシステムサッカー部はつくばのグラウンドを使用しているが東京のクラブ。COEDO KAWAGOE F.Cの小江戸とは「江戸のような」という形容で川越市のクラブ)もあって、東京都社会人サッカーリーグに至ってはみんな東京のクラブですから。略称を東京と言い出したら全部「東京」じゃないのかと。
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