「ゼルビアTimes」郡司聡

黒田剛監督「無失点で時計の針を進めながら、少ないチャンスをものにしていく。そんな勝利の方程式を、選手たちが勝ち方として意識し始めている」+ピーター・クラモフスキー監督、翁長聖【モンテディオ山形戦/試合後会見コメント+α】

■明治安田生命J2リーグ第5節
3月19日(日)14:00キックオフ
NDソフトスタジアム山形/11,855人
モンテディオ山形 0-3 FC町田ゼルビア
【得点者】町田/24分 エリキ、52分 エリキ、82分 荒木駿太

ベンチでの黒田剛監督と金明輝ヘッドコーチ

○黒田剛監督
–まずは試合の総括からお願いいたします。
「山形さんが今季初のホームゲームということで、多くの観衆が入るため、大きな重圧を感じる試合になることは予想していました。ただそこはもう我慢比べだと。特に勝ち急ぐことがないように、前半を無失点で進めながら、少ないチャンスをものにしていく。そうした町田のゲームプランを遂行しようと選手たちは冷静にやってくれました。前半はボランチとサイドハーフの間の空いた位置に相手に入り込まれる形があった中で、決定機を作られることや、ポスト直撃のシュートもありました。そのため、後半はサイドハーフの絞り込みや、ボランチのポジション取りを修正できたことでかなり有効にゲームを進めることができたなという印象です。

GKポープ・ウィリアムのセービングとシュートがポストに直撃したことにより、あの場面で失点をせずに無失点で抑えられたことが無失点勝利に結びつきました。われわれとして掲げている無失点で時計の針を進めながら、少ないチャンスをものにしていく勝利の方程式を、選手たちが勝ち方として意識し始めています。そんな勝ち方を体現することで体に染みついていく。そういった勝利の形が見えてきているのかなと思っています。またこれは私個人としての思いになりますが、東北では負けるわけにはいかなかったですし、この東北の地でおよそ30年間、高校サッカーを指導してきたので、そういった思いを心に秘めながら戦った試合でもありました」

 

–コイントスでエンドの変更を選択しました。それは監督の指示なのか。選手の判断なのか。いかがでしょうか?
「選手の判断です。前半は風上で良い形を作りたいという意図があったと思います。そのあたりのことはあまり強要していません」

 

–相手が前進する過程でミスを誘発させる形が続きました。チームのプレスは意図した形で出来たのでしょうか。
「そうですね。もちろん山形さんのボールポゼッションも、バイタルエリアの攻略も含めて、クオリティーが高いです。プレス位置を少し前から行こうと設定している中で、それが少しハマらなくなかった時間帯はミドルプレスに変えていくという狙いはありました。少しずつ変化をもたらしてはいたのですが、相手にとって思うようなポゼッションや意図する形でボールを運ばせないこともわれわれのプランの一つに入っています。そういう意味では相手にとって、有効な攻撃に結びつくようなポゼッションには至らなかったのかなと。それをきっちりと阻止できたことは、一つの収穫だったのかなと思います」

 

–試合後、選手たちがサポーターに勝利を報告する際に、監督も一緒に行かれましたが、その時の想いを聞かせて下さい。
「こうして東北の地まで足を運んでいただけたファン・サポーターの方々には感謝したいなと思いますし、今日の山形さんのように、これだけのファン・サポーターが集められることをみなさんにも見ていただき、こんな雰囲気を町田でも作れたら良いなと思いました。あらためて自分の気持ちも引き締まりました。」

 

–今回も無失点勝利です。毎試合こだわっていると思いますが、今回もそれを達成した上で4連勝を成し遂げたことについては、どうお考えでしょうか。
「基本的な考え方としては、0-0でゲームを進めるプランで問題はないですし、特に勝ち急ぐ必要も、点を取り急ぐ必要もないということです。相手が前掛かりになってくる中で、平河(悠)や(ミッチェル)デューク、そしてエリキがわれわれにはいますので、必ずひっくり返せるだけの力はあります。

そういったアプローチは必ず相手の脅威になってくるだろうなと思っていましたし、攻守は表裏一体ですから、計算できるかなと思っていました。できるだけ高い位置で守備をして、ボールが取れればそういうチャンスが生み出せるなという意識ではいました。無失点でいきたい、無失点で試合を終わらせることを、最後まで貫き通した結果です」

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