「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】黒田剛総監督「考えれば考えるほど、涙しか出ないが、後悔はない」【囲み取材ほぼ全文/高校選手権レポート】

高校選手権後に町田の監督に就任する青森山田高校の黒田剛監督が試合後、ミックスゾーンで囲み取材に応じた。ここではほぼ全文を公開する。(※写真はイメージです)

○黒田剛総監督
ーー試合を終えられて、率直な心境は?
「約30年間の高校サッカー生活の中で、もがき苦しんだ時代もありました。今思うのは、青森山田の時代を作れて楽しかったなと。サッカーなので、常に勝てるわけではないですし、正木昌宣新監督としてはホロ苦い体験にはなったと思いますが、この悔しい体験がもっと強い山田を作っていく良いスタートになると思います。これからは外から見守っていきたいです。この山田では良い経験をさせていただきました」

 

ーー選手たちにはどんな話を?
「全体にはまだ話していません。個別では話していますが、まだ話すことも整理できていないですし、ホテルで話していきたいと思います。今は何と言うんでしょうか、正木新監督にとっては、3冠を獲った後の難しい重圧の掛かった1年であったことは間違いないでしょう。それでも選手権をベスト8で終えたことは決して悪い結果ではないと思います」

 

ーー山田での28年はどんな時間でしたか。
「一言で表現するのは難しいですね。まさかこんな強い山田になると思って始まった監督生活ではありません。チームも学校も教え子もそうですけど、いろいろな関係者の方々に支えられながら、気づけば中高合わせて部員が約330人いる。18人で始めたものがそれだけの大きな組織になりましたし、全国のサッカーファンに夢と感動を与えられることができました。考えれば考えるほど、涙しか出ませんが、後悔はありません。カテゴリーが変わっても勝利を目指してきたメンタリティーが変わることがないので、これからも勝利を目指していきます」

 

ーー黒田総監督にとって、高校サッカーとは。
「たくさん成長させてもらいました。街やメディアの方々にも支えていただき、選手たちは気持ちをコントロールし、平常心を作ることを学んできました。それを経験できる高校生とできない高校生では将来、全然違ってくると思います。自分自身もこういう経験をしたからこそ、人の痛みも分かるし、悔しさから学ぶことを覚えました。成長させてもらった高校サッカーだと思っています」

 

ーーゼルビアに移った後も、青森山田のことは見守っていくのでしょうか。
「山田とはさよならという形にはなりますが、上のカテゴリーで挑戦するチャンスがありそうな選手はどんどん引き上げていきたいと思いますし、彼らが卒業して、さよならではなく、卒業生を含めて、青森山田なので、今度は上のカテゴリーから見守りながら引き上げていきたいです。僕自身ももっと頑張って、また黒田監督と一緒にやりたいと思ってもらえるような結果を出していきたいです。今は晴れ晴れとした気持ちではあります」

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