田中貴大選手(FC刈谷)/JFLからの陥落。それでも、僕は前を向く【連載・元町田戦士の現在地31/コラム】
■日本フットボールリーグ(JFL)・地域入れ替え戦
12月18日(土)13:00キックオフ
名古屋市港サッカー場/1,032人
FC刈谷 0−4 クリアソン新宿
【得点者】新宿/45+2分 池谷友喜、45+4分 井筒陸也、78分 大谷真史、85分 原田亮
スコアボードに刻まれた0−4という結果
▼「この状況になってしまったのはチームの責任」
0−4。突き付けられた現実の厳しさを前に、田中貴大の足取りは、さすがに重かった。
「正直、悔しさもありますが、この敗戦に納得できる部分もあります。開幕からズルズルと(チームの状態の悪さを)引きずり、ここまで来てしまいました」
再び戻ってきたJFLの舞台。ところが、FC刈谷は開幕9連敗を含む12戦無敗と未勝利街道を抜け出せず。7月に2勝を挙げたものの、チーム状態は大きく好転しないまま、8月からは村田一弘監督が指揮を執り、最終的にシーズン4勝に終わった。そしてクリアソン新宿との入れ替え戦も落としてしまう。
勝利を願い、戦況を見つめるFC刈谷サポーター
チームの勝利を信じ、拍手と手拍子で選手たちを後押ししたゴール裏も試合後に沈黙。田中はチームの思いを代弁するかのように、こう言って言葉を絞り出した。
「こういう状況になってしまったのも、選手たちを含め、チームの責任です。最後は勝って残留を決めて、終わり良ければ全て良しとしたかったですが、そんなに甘い世界ではありません。敗戦は申し訳ない気持ちでいっぱいです。ただ次に進まないといけないので、まだまだ頑張りますという気持ちでいますし、僕自身もチームもこの降格を次に生かしていかないと。結果を受け止めて前を向くしかありません。生かすも殺すも自分たち次第なので、切り替えるしかないかなと思います」
果敢に仕掛けた田中貴大
刈谷の残留を目指し、先発のピッチに立った田中は左SBとしてフル出場。後半には1本のシュートを放ち、84分にも相手の決定的なシュートをゴールライン上でかき出した。
またセットプレーの場面ではキッカーも担った。ビッグゲームは得てしてセットプレーの重要度が高いため、「セットプレーが鍵になる」と決意。レギュラーシーズン中に何度かアシストをしていることを追い風にゴールへと迫った。しかし、新宿に奪われた2点目はCKから被弾。狙っていた形を相手にやられたことに対して、悔しさを募らせた。
スタンドには鈴鹿(現・鈴鹿ポイントゲッターズ)やレノファ山口FCのサポーターらの姿もあったという。もちろん、町田のサポーターの前でも張り切っていたが、新宿の壁は想像以上に厚く、「Jの経験者もいて、独特な雰囲気にも慣れていた」。完敗であることは、スコアが雄弁に物語る。
2020シーズンの田中は、シンガポールプレミアリーグのタンジョン・パガー・ユナイテッドFCで過ごした。日本復帰初年度に突き付けられたシビアな現実。それでも、田中はこう言って前を向く。
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