「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「二人の初ゴールは、思い切りの良さを出せた結果」+京都・ジュロヴスキー監督、本多勇喜、仙頭啓矢、庄司悦大【京都サンガF.C.戦/選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第25節・7月25日(水)19:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,549人
FC町田ゼルビア 2-1 京都サンガF.C.
【得点者】町田/5分 土居柊太、84分 下坂晃城 京都/71分 レンゾ・ロペス

■相馬直樹監督
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずは非常に蒸し暑く、平日のナイターの時期にスタジアムまでご来場いただき、たくさんの声で選手たちを励ましてくれたと思います。非常に苦しいゲームでしたが、サポーターのみなさんがエネルギーをもたらしてくれたことで、勝利に持ち込むことができました。ありがとうございました。

またわれわれは人工芝でトレーニングしている環境下ですが、連戦の最中にこちらのスタジアムを少しお借りすることができました。この暑さの中でスタジアムをお借りできることで気象条件も違いますし、今日のゲームでも素晴らしいピッチ状態を作っていただき、グリーンキーパーの方々にもご協力いただいたことが、この連戦でも最後まで走り抜けるエネルギーを生み出し、選手たちが走り抜ける状況を作れたんだと思っています。この場を借りて、ありがとうございましたと、あらためて感謝を申し上げます。

試合の立ち上がりからお互いにと言ってもいいと思いますが、暑い中の連戦で重いゲームになってしまいました。どちらが粘り強く戦えるか。どちらがスキを突けるのか。少しでもスキをなくすようにできるか。そういうゲームだったと思います。立ち上がりの時間帯にセットプレーのこぼれ球に対しての反応が遅れた中で先制点が生まれました。ここ最近は足を振ろうという話を選手たちにしている中でゴールを奪うことができて試合を優位に進めることができました。

しかし、次第にわれわれがリードしていることも含めて、守備に対しての出足も、そして攻撃に対しての出足も少し遅く、なかなかマイボールにならずに、思ったよりも相手を嵌め込む形を作れないゲームになってしまいました。とはいえ、それほど危ないシーンを作られたわけではないのですが、その中でわれわれにスキができて、相手に同点ゴールを決められてしまいました。

次も連戦になりますが、この暑さの中で、ああいった場面をなくせるか。それは修正すべき点だと感じています。終盤の時間帯にリスタートで突き放すことができました。先ほど会場のインタビューでも話させていただいたのですが、追いつかれたあとに最後に突き放す。選手たちがこのゲームにかけて戦ってくれている結果がそういった場面に出ているんじゃないかと思いますし、こういった暑い中で集まってくれたサポーターの声援がそうさせてくれたんだと思います。

ただまたすぐに中3日でゲームがあります。今日はこれだけ体が重かったのかと正直感じていますが、次の山口さんとのアウェイゲームに向けて、少しでも良い状況を作って、敵地に乗り込めるように、一度負けている相手にしっかりと立ち向かえる準備をしたいと思います」

ーー後半から相手がダブルボランチに変えてきたことで、前半の庄司選手アンカー、二人のインサイドハーフが配置されていた時よりも、そこにプレッシャーが掛からない状況だったと思います。その中で相馬監督が考えていたことを聞かせてください。
「形うんぬんではなく、足が出ないなということぐらいと、マイボールがちゃんとマイボールにならない。マイボールのロストの仕方がやりたくない形になっていましたし、それこそ自分たちで体力を失うような展開だったと思います。気になっていたのはそのことぐらいです。マイボールにならずにボールを失うことも多く、ダブルボランチが前に出て行く状況を作れなかったこと、そしてFWが相手のCBに圧力をかけづらくなっていたことを含めて、形のところで何かしようとはまったく思っていません」

ーー2点あります。後半の途中に大谷選手と深津選手を交代しましたが、その狙いと日替わりヒーローが生まれているようなチーム状況について、監督はどう感じていますか?
「ナオキ(大谷)からハーフタイムに気になる箇所があるという話がメディカルスタッフに報告がありました。この連戦の中で無理をさせるのを回避したというのが一番の理由です。また後半の頭に、相手にリズムを取られたところがあったので、深津にしっかりと声をかけてチームを元気付けてくれ、ということで深津を送り出しました。

二つめの質問に対しての答えですが、ベンチメンバーを見ていただいても、少し後ろの選手のほうが多い状況でした。誰かが何かを起こさないとなかなかゴールが生まれない状況だと思っていました。それこそプラスα、ベンチに入った選手たちも、もし自分がFWで出たらどうするか、それも考えてくれ、という話はしています。チームを助けられることを考えてほしいと選手たちを送り出しました。

二人は初ゴールという形になりましたが、それは思い切りの良さを出せた結果なのではないでしょうか。チームの中に一つ自分の殻を破ってみようという空気が生まれていると思います。そういったことが今後につながっていけばいいなと思いますが、ほかに殻を破る選手が出てくれば、私としても非常にうれしいことです」

ーー現在の順位について、受け止め方次第では浮き足立つような順位にいると思いますが、この順位にいることがチームに対して、どんな影響を及ぼしているとお考えですか?
「4日前にも似たような質問が出ましたが、順位のことを選手たちに話したことはありません。6位以内というシーズン目標の話をしていますが、今も6位以内の話をしているかと言えば、決してそうではありません。ちょうどシーズンの半ばを折り返す時、シーズンが半分終わる時のミーティングで順位のことを話していますが、それぐらいでしょうか。

どのゲームでも目の前のゲームにフォーカスしてもらうように、ひいては1日1日のトレーニング、ひいてはワンプレー、ワンプレー、選手たちにはそういう意識を持ってもらいたいと思っています。現在の順位が自信を生むという側面もありますが、意識し過ぎると、あまり良いことではないと僕の中では思っています。終わった時に何位だったかなぐらいでいきたいです。

選手たちは順位表を気にしているかもしれませんが、自分はどの試合でも勝ち点3以上は取れないですし、相手にも勝ち点3以上いくことはありません。そういう意識を選手に持ってもらって、すべての試合で出し切ることをやってもらえるようにしています」

 

■ボスコ・ジュロヴスキー監督(京都)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずはCKから2点を取って勝利した町田さんに対して、おめでとうと言わなければならないと思います。われわれも先制されたあと、追いつきましたし、そこからまた盛り返そうと、前へ前へと押し上げてトライをしたのですが、CKから自分たちのミスの繰り返しで失点をして、負けてしまったゲームだと思います。選手たちは最後まで粘り強く戦いましたが、やはり同じミスでした。

ここから自分たちはやり方を変えずに続けていかなければなりませんし、最後までネバーギブアップ、最後まであきらめずにやっていかなければならないと思っています」

ーー後半のスタートから仙頭を投入した後に攻撃面の変化が出たと思いますが、起用の狙いと実際の評価を聞かせてください。
「狙いとしては仙頭啓矢を入れて、町田さんにプレッシャーをかける意味もありましたし、そのためにセカンドストライカーに彼を置きました。彼と岩崎悠人が入れ替わりながらプレーできますし、前への推進力は出たと思います。その中で彼もよくやってくれたと思っています」

 

■本多勇喜(京都)
決め切れないことが失点につながっている
「後半はチャンスがありましたし、1-1の状況でなんとか逆転できていれば自分たちのゲームになったと思います。決め切れないことが失点につながっていると思います。セットプレーから点を取られる形になりましたが、マンマークの形なので、一人ひとりが集中して、もっと一人ひとりが責任を持ってやらなければいけません。後半に(仙頭)啓矢が入ったことで攻撃に違いが生まれましたし、間でボールを受けることで後半はみんなが良い関係性でやれていたと思います。

(ここ2試合、庄司選手が入ったことの変化は?)ポゼッションの質も良くなってきていますし、ゴールにも迫っています。ただ庄司さんだけに頼るような形ではなく、サイドからも仕掛ける形を作らないと、単調な攻撃になってしまいます。コンビネーションなどで崩す形も増やしていきたいです。

(次のゲームに向けて)今は勝たないといけない状況なので、アタッキングゾーンでの攻撃の質を改善すること、無失点試合もないので、無失点で終えられる試合を次のホームでやれるようにしたいです」

 

■仙頭啓矢(京都)
何か結果につながる仕事をしたかった
「先発も外れていますし、2試合前の水戸戦は良くなかったという自覚もあるので、何か結果につながる仕事をしたかったと思っていました。自分の特徴は攻撃なのですが、守備に少し意識が行き過ぎてしまったのかなと思っていました。今日は攻撃を意識して、少しでもチームの流れを変えられるようにという意識で試合に臨んでいました。(次のゲームに向けて)チームが苦しい状況で最後のところで勝てないですが、失点をするのであれば、その分得点をすればいいだけの話です。今日は1点を取れましたが、2点目、3点目を取れるようにしていきたいです」

 

■庄司悦大(京都)
責任を感じている
「こっちに流れがきそうだなという良い時間帯でセットプレーから点を取られてしまいました。ラッキーな形でのゴールではありましたが、もったいない試合をしてしまったという思いがあります。残留のために自分が京都に呼ばれて、2試合連続で使ってもらっていると思っています。勝てていないので、責任を感じています。まだ試合は結構あるので、開き直る部分も必要なのかなと。今日もこっちにチャンスがなかったといえば、そうではなかったと思いますし、あとは決めるところ、守るところでしっかりとできていないので、セットプレーで点を取られていることを含めて、反省しないといけないと思います。

(後半の攻撃について)後半はシンペイ(福岡)とダブルボランチになって、啓矢がセカンドトップに入って、シンペイに降りてもらって、という話をしていました。シンペイはつなぐ能力もあるので、連動できるときは攻める形を作れました。啓矢も間で受けてくれましたし、点を取られるまでは良い形を作れていたのかなと思います」

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