「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「ビハインドを背負った状況でも、崩れずに選手たちが成長を示してくれた」+愛媛・川井健太監督、西田剛、小池純輝、野澤英之、近藤貴司【愛媛FC戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第17節・6月2日(土)16:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,610人
FC町田ゼルビア 2-1 愛媛FC
【得点者】45分 中島裕希、84分 鈴木孝司(PK) 愛媛/37分 西田剛(PK)

 

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「非常に良い天候で、われわれの勝利に期待して多くの方々に集まっていただきました。相手に先制される中で、逆転でひっくり返すエネルギーを引き出してくれた、ファン・サポーターの方々の声援に感謝したいです。非常にタフな試合になりましたが、逆転にまで持ち込めるエネルギーをいただけたことに感謝したいです。

自分たちがリズムをつかみながら試合に入ることができて、チャンスを作れていましたが、なかなかゴールを決められずに、PKの判定で相手に先制される形になりました。時間帯こそ違えど、前節の岡山戦は自分たちのリズムでゲームを進めながら、点を取れず、後半の立ち上がりに失点を喫する展開でした。今節も先に失点をする中で、ビハインドを背負った状況でも、崩れずに選手たちが成長を示してくれましたし、前半の終了間際に追いつけたことは大きかったです。

前節は後半の入りが良くなかったことが反省点として残りましたが、今日の試合は後半の入りから高いインテンシティーで戦うことができていましたし、自分たちのチャンスで点を取り切れず、相手にもチャンスがある中で、ややオープンな展開になりました。前半からアグレッシブに戦っているので、後半にオープンな展開になりがちであることは想定内ですが、良い時間帯に点を取り切ることは引き続きの課題として残りました。

ただそういう展開になっても粘り強く守ることはできていましたし、最後にPKという形でしたが、決勝点をもぎ取り、失点をせずに試合を締められたということは、先週の教訓を生かしながらタフに戦えたという成長を示したゲームになったのかなと思っています。

選手たちにはメンタル面も攻守の切り替えでも頑張ってほしいという話をしている中で、この勝利はそれらを出し切ってくれた結果でした。このあとは天皇杯、リーグ戦と連戦になりますが、天皇杯ではリーグ戦で敗れた岡山さんと戦います。アウェイにはなりますが、なんとか勝って次のラウンドに進めるようにしていきたいです」

ーー選手交代のファーストチョイスで土居選手を起用しました。その狙いを聞かせてください。
「トレーニングやトレーニングマッチでも好調を維持していました。先ほども話しましたが、少しずつ、オープンな展開になり始めた中で、彼の動きの量がチームの助けになるかなと起用しました。その中で背後のボールを引き出すこと、間でボールを受けること、そしてトレーニングマッチではできていたことですが、フィニッシュワークの形を作れるともっと良かったのです。そういったものを出してくると期待はしていましたが、今日の試合に関しては、出し切れなかったと思いますし、本人もそう思っていることでしょう。ただやるべきことも整理されていてきている中で、ゲームを作るという部分で彼には期待をしていました。頑張ってくれたと思います」

ーーさまざまな選択肢がある中で、最終ラインで少しメンバー変更がありました。その意図と実際の試合はいかがでしたか?
「前線のターゲットにある程度ボールを入れてくるだろう、そしてわれわれの背後へのボールも出てくるだろうという予想の中で、ナオキ(大谷尚輝)にはクサビのボールに対して強くアプローチに行くことを期待していました。

その結果、スライドした形で小島には右サイドに入ってもらいました。最後に足をつってしまったことも含めて、緊張もあったのかもしれません。トレーニングマッチでは3バックの相手が少なかったことも影響したのか、今日の試合ではスライドやマーキングの遅さが見えていました。彼なりの反省点はあるでしょうが、今日の試合では前向きなトライをしてもらえたと思っていますし、攻撃参加に関しては積極的にしっかりとできていたと思います」

ーー昇格初年度にも上位に位置することもありましたが、当時と比較して、チームとしての積み上げはどうなのでしょうか?
「復帰しての初年度は、相手も自分たちのことを甘く見ていた部分もありました。ただ今年に関しては、相手が従来とはまったく違うゲームをしてくることが多いので、相手はきちんと対策を練ってくるケースが多いです。そういった背景がある中で、これまでポイントを積み上げられている理由は、自分たちができることや、こうなったら難しくなることなど、いろいろなことが整理できていると思います。その中でも勝利に近づく方法をある程度、チームとして共有できることが増えてきているのかなと思いますし、それは重要なことです」

ーーJ1ライセンスの状況もある中で、夏場から終盤戦にかけての時期に、モチベーションや動機付けの部分について、どうしていこうとお考えですか?
「J1ライセンスのことは事実としてありますが、6月30日のライセンス交付の日にうれしいことがあれば良いとは思います。今季は6位以内という目標を掲げている中で、J1にチャレンジするにふさわしいクラブ、チームになっていこうと、J1のスタンダードで戦えるチームにしていこうと選手たちには話しています。

今年J1を勝ち取れるかどうかは別として、自分たちが近い将来、J1昇格というチャレンジにふさわしいチーム力をつけること。また実際にJ1へ上がったときに、まったく歯が立たなかったではなく、少しでも爪痕を残すことができるように、今は継続して、J1に残れるための力を作る時間をもらえていると捉えています。そこで今年は少しでも、J1のスタンダードに近づけるようにしていこうという話をしています。その目標を共有してくれていることで選手たちの頑張りにつながっていると思っています。

われわれは町田という地域に根ざしてやっていこうというクラブです。町田には43万人という人々がいますし、一人でも多く共感してもらえる人を増やしていけるように、そして町田には素晴らしい戦いをしているチームがあるよ、われわれの誇りとなるものがあるよと、クラブがそうなっていけるようにやっていきたいです。

特に今のベテラン選手たちは、J1で戦えるかどうかは、時間的には分からないですが、ベース作りやJ1への礎作りをしようとトライしてくれています。先のことを言うといろいろ見えなくなってしまうので、一戦一戦、J1のスタンダードを身につけようという話を選手たちにしながら今季は取り組んでいます」

 

■川井健太監督(愛媛)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「結果的に敗れてしまい、サポーターには申し訳ない気持ちでいっぱいです。先制して追いつかれたあと、もう一度ギアを上げることが足りなかった、それが勝敗のポイントだったかなと思います」

ーー点を取りに行くと話していた中であまり多くのゴールを取れませんでしたが、その原因はギアを上げることができなかった以外に何がありますか?
「形は作れていたと思います。その中でチャンスの数を増やすことが必要です。あとはペナルティーエリア内での冷静さが足りなかったことが、複数得点を取れなかった原因かなと思っています」

ーー狙いとしていたサイドに展開する攻撃の形はいかがでしたか?
「出来は50点でしょうか。もっと相手の逆を突いたり、もっとボールを動かすことができたと思います。そういったことに関しては、今トレーニングで変化を加えていることですが、まだ選手たちが怖がっている部分がありますので、トレーニングで整理していきたいと思っています」

 

■FW 18 西田剛(愛媛)
少しずつ積み上げられている
「後半の入りは押し込まれていましたが、しのぐことはできていたと思います。途中出場の選手の活躍もあって、何度かサイドからチャンスを作ることもできていました。我慢比べの中でPKを最後に決められてしまい、もったいない試合でした。サイドを攻略をしてウチが仕留めるチャンスはありました。そういうチャンスを作れている中できちんとゴールを決めていく、そういう反省点の残る試合でした。

僕自身は先発で出られるようになって、今日は前半からシュートチャンスを作ることもできていました。少しずつ積み上げられているので、チャンスの数を増やすこと。そして僕個人では少ないチャンスでも仕留められる力をつけていきたいです。それはもうトレーニングから質を高める努力をしていくしかないです。点を取ってチームを助けられるようにしたいです」

 

■MF 14 小池純輝(愛媛)
すべてのレベルを上げていくしかない
「町田が徹底したシンプルに蹴ってくるサッカーをしてくる中で、もう少しボールをつなぎながら自分が高い位置を取って、ドリブルを仕掛ける形を作りたかったです。相手は中盤を飛ばしてくる戦い方だったので、難しかったですが、もっと狙いとしている攻撃の形を作りたかったですね。PKを取られるなど不運な部分はありますが、グループとして戦う中で最後は個の力です。その個の力をつけていきたいです。

ハーフタイムには監督から「2点、3点を取らないと勝てないよ」という話がありました。そういう気持ちで臨んでいましたが、チャンスはあっても決め切れませんでした。チャンスの数を増やすことも含めて、すべてのレベルを上げていくしかないですね。

監督が代わって、まだ勝利をプレゼントできていません。劇的に変化することは難しいのですし、一つひとつを積み上げていけば良い方向に行くという感触はつかんでいるので、あとは選手たちがピッチの中で結果につなげていくだけです」

 

■MF 6 野澤英之(愛媛)
セットプレーでやられることが今のチームの弱さ
「相手がロングボールを多用することやサイドに追い込むことは分かっていたので、自分たちがボールを持っている時は相手の逆サイドを狙っていたつもりです。それがうまくいった時にチャンスになっていたので、もっと回数を増やすこと、質を高めていかないといけないと思いました。自分たちが考える展開にならなかった時にほかのやり方があったかもしれません。拮抗した試合はセットプレーで動くことが多くて、そこでやられてしまうのが今のチームの弱さかなと思います。

逆サイドを狙う意識はありましたが、なかなか展開できませんでしたし、セカンドボールをボランチで奪い合うことが多い中で相手に負けることが多かったです。予測することや球際に厳しくいくこと、そしてその中でファウルを受けないようにしなくてはいけません。(新体制で初の先制点を取って、勝利に近づきつつあるのかなと思いますが?)内容が良くなったとしても結果が出ないと意味はありません。まずは結果を残さないと。あとはトレーニングで積み重ねていくしかないかなと思います」

 

■MF 7 近藤貴司(愛媛)
後半は相手のリズムに合わせ過ぎた
「シュートまでいけていないので、あまり良くはなかったです。前半は仕方がないのですが、後半は相手のリズムに合わせ過ぎました。後半はもう少しボランチを使って、ボールを動かしたかったです。逆サイドに展開する意識はありましたが、結果的に負けているので……。シュート数も5本では勝てないのかなと思います。次の首位の大分との試合はしっかりと分析をして受け身になってはいけないと思っています」

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