「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】村主博正ヘッドコーチ「選手たちが躍動する形で勝利をもたらしてくれた」+東京V・ロティーナ監督、井林章、梶川諒太【東京ヴェルディ戦/監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第12節・5月3日(木・祝)14:00キックオフ
味の素スタジアム/6,505人
東京ヴェルディ 1-4 FC町田ゼルビア
【得点者】東京V/14分 林陵平 町田/17分 吉濱遼平、48分 森村昂太、58分 吉濱遼平、88分 中島裕希

 

■ロティーナ監督(東京V)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「前半は良いスタートを切れましたし、先制点を取ることもできました。われわれが一番良いプレーをしている時間帯にカウンターを食らい、点を取られました。そのあとは彼らのプレーがわれわれを上回るようになり、それがハーフタイムまで続きました。後半は2点目を取られたあとにチャンスを作れず、選手交代で変化をつけようとしましたが、相手のほうがチャンスは多かったですし、効果的なチャンスを作っていました。われわれを上回っていた彼らの勝利を祝福したいと思います」

ーー交代選手が効果的に働かなかったようですが?
「彼らの責任ではないです。町田は明確なチームスタイルを持ったチームですし、難しい相手ですから、途中から出る選手にとっても難しい状況だったと思います。負けた時は全員の責任で誰か一人の責任にするべきではないです」

ーー今日は町田に凌駕されたような試合だったと思います。チーム力にそんなに差はないと思いますが、どうしてこんな結果になったのでしょうか?
「おっしゃるとおり、チーム力自体に大きな差はありません。われわれは良い形でゲームに入りましたが、ゲームが進むにつれて、相手がより自信を持ってプレーしていましたし、われわれが次第に自信を失っていきました。今日に関しては彼らのほうが上回ったことは認める必要があります」

――攻撃を縦に急ぎ過ぎたように見えましたが、相手のペースに付き合うような展開になった印象です。監督はいかがでしょうか?
「われわれのプレーを90分間しようとしていました。それをできている時間帯に関してはサイドでアドバンテージを生かし切れず、1対1で仕掛けることがなかなかできずにいました。アドバンテージを生かせなかったことが痛かった点です」

――ここ2試合で複数失点が続いている一番の原因は何でしょうか?
「まずはしっかりと失点のシーンを振り返りたいと思います。ただ、2失点目に関しては自分たちのビルドアップのミスで失ったものですし、それに関してはわれわれのプレースタイルにおいてはリスクとして起こり得るものです。例えば、1失点目に関してはエラーがあって修正すべきものです。ただ、2点目はビルドアップのミスというか、ビルドアップでつないでいくという意図から生まれた失点なので、そこに関しては想定している失点ではあります」

 

■DF 3 井林 章(東京V)
相手の弱点を突くことに固執し過ぎてしまった
「明らかに失点がカウンターの形だったので、もったいなかったです。スカウティングで徹底的に裏を狙っていることが分かっていたのですが、ボールの失い方が悪いと、自分たちの形が崩れた状態になって、それによってカウンターの対応がうまくできなかったです。サイドチェンジや大きな展開は意識していましたが、ゴールにつながらないことが長く続いたことで相手に自信を与えることになりました。後半は風向きも反対になって、逆に相手に良い方向に風が向くようになってより悪い展開になってしまいました。

(相手の攻略法を意識し過ぎるあまり、攻め急ぎのようなものを生んでいるように見えました)相手の弱点を突くことに固執し過ぎてしまいました。本来の自分たちの形をやった上で相手の弱みを突くことがもっとできれば良かったのかなと。ただ前節・大宮戦の敗戦の影響はなかったと思います。内容が悪かったわけではないですし、ポジティブな敗戦ではありました。それよりもカウンターは相手のストロングポイントでもありますし、ボールの失い方が悪かったのと抑えることができなかったのがもったいないです。攻撃のリズムも良くなかったですし、相手を勢いに乗せてしまうボールの取られ方だったので、一番良くない形でした。修正するというよりも基本に立ち返るというか、自分たちがやってきたスタイルをいつもどおりやることが大事です。負けてはしまいましたが、あまりこの結果を引きずらないようにやれればいいのかなと思います」

 

■MF 38 梶川 諒太(東京V)
ボロが出てしまった
「守備が堅いというコンセプトで戦っているので、複数失点が続いていることは良くないですが、まだ12試合が終わったばかりです。苦しみながらも立て直す力はあると思うので、いつも課題もヒントも与えてもらっているし、それを選手がいかに表現するか、だと思います。これだけボコボコにされたことで、緩んではいなかったですが、もう一度気を引き締めて、立て直していきたいです。そのためにはこの結果は逆に良かったと捉えるしかなかったです。

相手に仕掛けてコウタ(渡辺)に絡みながら、逆サイドに振ることも意識していましたが、ゴールにはつながらなかったので、あとはゴールにつなげるだけだったと思います。二人だけの絡みが多く、3人目の動きが足りなかったです。それでもチャンスを作れる場面はあったので、そのチャンスに関われれば良かったのかなと。

すべてが速いテンポでのサイドチェンジになって、こっちも人数が少なく、サイドで1対2の状況になっていました。そこはうまくもう少し考えて、サイドチェンジという与えられたものをすべてやってしまうのではなく、選手でもう少し考えるべきでした。町田は奪ってからの攻撃が速いですし、こちらの陣形が整う前にやられてしまっていました。あれだけ速く攻めてくるチームがない中で守れていた分、ボロが出なかったので、今回はそのボロがハッキリ出ました」

 

■村主博正ヘッドコーチ(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「歴史と伝統のあるヴェルディさんと試合ができるという良いシチュエーションの中、ファン・サポーターのみなさんの後押しが伝わるゲームでした。この場を借りてありがとうございましたとお伝えさせてください。

前節の大分戦もそうですが、先に失点をするような展開になりました。ただ、たとえ先に失点をしたとしても、選手たちの力があれば、ひっくり返すこともできる。そうなったとしても、辛抱しようという話はしていました。選手たちは次のチャンスを狙いながら、集中を切らさずに最後まで戦ってくれました」

ーー体調不良で指揮を執れなかった相馬監督から、試合前に何かメッセージのようなものはあったのでしょうか?
「試合前に電話をいただいて、『とにかく選手たちが出し切れるようにしてください。そうすれば絶対に勝てる』というメッセージをいただきました。そのための準備は監督の下、今週はやってきたので、選手たちが躍動すれば、必ず勝ち点を取れると送り出し、選手たちが躍動する形で勝利をもたらしてくれました」

ーーGKを髙原選手から福井選手に代えた意図と、初出場となった福井選手に期待していたことは何でしょうか?
「3連敗をしているというチーム事情はありましたが、福井はここ最近良いパフォーマンスをしていました。若さも一つの武器だと思っていますし、精度の高いキックもあります。もちろん髙原も素晴らしいGKですし、その一方で福井にしかできないものもあるので、いろいろな選択肢がある中で調子の良い福井を起用しました」

ーー村主さんがここまでおっしゃられた言葉で一番印象に残っているのが「躍動」です。守備では誰もサボらず、ガンガン行く。町田さんは素晴らしいサッカーをしたと思います。組織的な連動する守備が素晴らしかったですが、いかがですか?
「僕から発せられる言葉はすべて相馬監督が使っている言葉ですし、日頃相馬監督が言っていることをこの場で言わせていただいています。相馬監督が常に言っていることは、選手同士の距離、みんなで襲いかかれるような準備です。今日はその中でみんなで励まし合う、チャレンジ&カバーができる距離、そしてファーストDFもしっかりと定まっている形で試合を進めてくれたと思っています。町田ではボールへディフェンスに行けていることが躍動という言葉につながっているのかなと思っています」

ーー今日は向かって右から左に風が吹いていました。試合前のコイントスで後半勝負をするための陣地取りだったのかなと思うのですが、いかがですか?
「陣地に関しては、選手が決めています。ただ町田は笛が鳴ってから笛が鳴り終わるまでファイティングポーズを取り続けて、1試合相手に襲いかかるスタンスですので、風の影響は気にならなかったです。実際にもっと強い風が吹く中での試合もありましたし、今日はそんなに風のことを意識もせずにできたと思います」

 

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