「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】相馬直樹監督「勝ち点をゼロから1に変えたことは、『今年は違うぞ』ということを示す結果になった」+熊本・渋谷洋樹監督、皆川佑介、青木剛、安柄俊、黒木晃平【監督・選手コメント】

■明治安田生命J2リーグ第8節・4月8日(日)14:00キックオフ
町田市立陸上競技場/3,727人
FC町田ゼルビア 2-2 ロアッソ熊本
【得点者】町田/73分 深津康太、90+4分 ドリアン・バブンスキー 熊本/24分 安柄俊、76分 皆川佑介

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「まずはわれわれのホームゲームに、熊本のファン・サポーターも含めて、たくさんの方々に集まっていただきました。最後の最後に勝ち点1という形でしたが、ファン・サポーターの方々には負けたくないという思いを共有して戦ってくれたことに感謝を申し上げます。ありがとうございました。

全体的には悪くない試合の入りをしたのかなと思っています。ただ思った以上に熊本さんがボールをアバウトに入れてくるシーンが多かったことで、少しわれわれのコンパクトさが失われた前半だったかなと。そういう中でポイントを作られる回数が増えた中、相手の特徴である右サイドが前に出てくる形を作られたかなと思っています。

その一方で攻撃に関しては、フィニッシュの部分でやり切れない部分はありましたが、相手の深い位置まで入ることはできていたと思います。ただフィニッシュやクロスボールなど、ラストプレーの部分で思い切りが足りないと感じていました。その中で連係ミスのような形での失点になりましたが、崩された形ではなかったので、選手たちは後半もやってくれるなと思っていました。

でも、選手たちはハーフタイムに元気がなくロッカールームに帰ってきたので、少しハッパをかける形で選手たちを送り出しました。後半は熊本さんも少し引いたプレーや引いた形が多くなって、リスタート崩れの形から追いつくことができました。

ただ同点となったあと、熊本さんが出てきたにもかかわらず、少し受けてしまったことは大きな反省点です。自分たちがホームで追いついた形だったので、自分たちらしく、相手が前へ出てきた時に、自分たちも前に出る姿勢が必要でした。そのあたりは選手たちと課題として共有していかないといけません。

終盤はリードを許し、相手も引いている中だったため、そこをこじ開けるのは難しい展開でしたが、ファン・サポーターの方々の後押しのおかげがあったことも含めて、粘り強く戦うことで最後の最後でゴールにねじ込むことができました。選手たちの意志の強さを感じましたし、昨季までの展開であれば、相手にうっちゃられたまま押し込まれて負けてしまう、もしくはリードをしていても追いつかれる、押し込んでも点を取れないことが多かったのですが、追いついて勝ち点をゼロから1に変えたことはファン・サポーターの方々に今年は違うぞ、ということを示す結果になったと思います。

できれば勝ち点3に変わるようなゴールならばもっとうれしかったのですが、今後は苦しい展開を勝ち点3に変えられるような、追いかけるようなシチュエーションになった時にも強いと思ってもらえる、その強さをホームゲームで見せられるようなチームを作っていきたいと思っています」

 

■渋谷 洋樹監督(熊本)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「今日は町田さんに対して準備をしてきましたが、最後は町田さんのパワーにやられてしまいました。やられたことは切り替えて来週の東京V戦に向けて準備をしていきたいです」

ーーセカンドボール争いが肝になるということで準備を進めてきましたが、実際の試合ではいかがでしたか?
「町田さんは迷わず相手の背後をロングボールで突いてくるチームなので、その対応は良かったと思います。町田戦に向けての準備に関しては、チームや個々の成長を止めてまで準備をしてきました。ラストプレーまではできていましたが、最後に失点をしているので、最後の部分は私の準備が足りなかったと思っています」

ーー後半は押し込まれる展開になりましたが、そのことに関してはどう感じていますか?
「勝っているから仕方がないです。相手が前に出てきている中でカウンターで仕留めないといけないですし、相手がスペースを与えてくれているぶん、正確なプレーをしてチャンスを作らなければいけません。逆に1-1になってからは相手が前に出てこなくなってボールを持ってからチャンスを作れていました。サッカーとはそういうスポーツだと思いますし、相手がパワーをかけてきた時に守り切れなかったことが反省点です。今日、勝ち点2を失ったということを肝に命じて、勝ち点1しか取れなかったことをみんなで共有して、後半戦のホームでは勝利を届けられるように準備していきたいです」

 

■FW 11 皆川 佑介(熊本)
敗戦を喫したような気持ち
「同点にされたあとに勝ち越し弾を決めたかったのでゴールを決められたことは良かったですが、複数得点を取れればもっと良かったです。最後に追いつかれてしまったので、負けたような、敗戦を喫したような気持ちです。ただシーズンは長いので、いろいろなことが起きます。今日は相手が同点劇を起こしましたが、相手のあきらめない気持ちを見習って、この引き分けを無駄にせずに、次のホームゲームに向けて準備をしていきたいです。

(ゴールシーンを振り返って)スカウティングでもファーサイドが空きがちという情報もありました。今週は1週間をかけて対町田の準備をしてきました。相手が嫌がるプレーをできていたことは今後も続けていきたいです。相手に合わせたサッカーをできることも証明できたので、次につなげていきたいです。

(ロングボールへの対応について)毎試合失点をしていることはチームの課題です。失点をしても前線の選手がカバーできるように、頑張っていきたいです。アウェイで戦う時は、どんな相手でもやりにくさはあるものですし、耐える時間帯を耐えることもできましたが、最後の最後であのような形で失点をしました。失点が続いていると、上のステージには行けないので、無失点で終えられるような試合をしたいです。FWは点を取れれば調子は上がりますし、今日のゴールが来週の復興支援試合につながればいいなと思います」

 

■MF 15 青木 剛(熊本)
相手が隙を逃さなかった
「(最後の失点場面は)セットプレー崩れの失点でしたし、クリアしたあとに相手が一度放り込んできて、それをはじいたあとにまたゴール前にボールが入ってきた形でした。そうなるとゾーン気味の対応になるので、ゴールを決めた選手に対してのマークは難しいのですが、相手がその隙を逃さなかったことで生まれたゴールだったと思います。

(ポイントだったセカンドボール争いについて)コーチングスタッフが分析したことや、1週間をかけて準備をしてきたことが試合の中で反映できているなという手ごたえを感じながら、試合を進めることができました。

(何本かフィードを通す場面がありましたが、その狙いは?)僕が覚えている限りでは3回サイドチェンジを入れましたが、それ以外にも狙いを共有する中でゴールが生まれました。狙いどおりにいった部分と相手にやられた部分、その両方があったと思います。町田さんがセットプレーでの得点の多さはスカウティングで分かっていました。セットプレー崩れの失点とはいえ、修正したいです。8試合の中でのセットプレーでの失点もあるので、セットプレーからのゴールは相手の狙いとしているので、失点を減らしていきたいです」

 

■FW 9 安 柄俊(熊本)
ギリギリのタイミングで抜け出せた
「得点シーンまで何プレーかで、町田のラインアップのタイミングとかボールの動きに対してしっかりとラインアップしてくることは分かったので、オフサイドにならないようにギリギリのタイミングを狙っていました。良いスペースにボールが出てきましたし、ギリギリのタイミングで抜け出すこともできました。その上でうまくGKもかわして最後は落ち着いて決めることができました。GKが飛び出してくるのが見えましたし、最初に自分がボールに触れると思ったので、ワントラップ目でかわしました。ボールの出るタイミングとギリギリオフサイドにならずに出ていくタイミングが良かったと思っています。

ラストプレーで失点をしたので、悔しい気持ちが強いですが、この日の経験をしっかりと学びにして、今後同じような状況になった時にしっかりと勝ち切れるように今日の経験を糧にしていきたいです。

(ゴールの感覚は高まっていますか?)個人としてのこともそうですし、チームとしての組み立てに関しても、良い形を多く作れる試合が多いです。最後の精度を高めていきたいです。相手に合わせずにビルドアップできる時間帯もあったので、そういう時間をもっと増やしていきたいです」

 

■MF 2 黒木 晃平(熊本)
決めたのはミナ(皆川)の技術
「クロスボールは難しい形だったと思いますが、ミナ(皆川)がうまく合わせてくれました。そのほかの場面でもクロスボールとかフィーリングが良い形でやれていました。積極的にいく中でうまく決めてくれました。結構、緩やかなクロスで相手もいたので難しかったと思いますが、あれは決めたミナの技術だと思います。

最後は押し込まれた形になったので反省点ですが、負けなかったことを良い方向に捉えて来週に向けて準備をしていきたいです。

町田をスカウティングした上で守備から良いタイミングで出ていくことをイメージしていました。もっともっとアバウトなボールを蹴ってくれれば、反対サイドは空いていたので、そのスペースをもっと突くことができたと思います。

(ウイングバックの位置取りが黒木選手は低めで、反対サイドの田中達也選手は高めでした。それはチームとしての狙いですか?)達也の中でいけるという感覚があったんだと思います」

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