「ゼルビアTimes」郡司聡

【★無料公開】「4つ勝ってきたことが、ちょっとしたスキを生んでしまった」(町田・相馬直樹監督)+京都・布部陽功監督、大黒将志、吉野恭平、岩崎悠人【監督・選手コメント/京都サンガF.C.戦】

■明治安田生命J2リーグ第25節・7月29日(土)19:00キックオフ
町田市立陸上競技場/2,420人
FC町田ゼルビア 0-2 京都サンガF.C.
【得点者】京都/71分 大黒将志、82分 大黒将志

■相馬 直樹監督(町田)
ーーまずは試合の総括からお願いします。
「今日は急にだいぶ強い雨が降りましたが、その中でも集まってくださった方々と一緒に勝ち点をつかみたかったです。そういう状況の中でも声を枯らして応援してくれた人たちのために勝利を届けたいと思っていましたが、勝利という結果にならずに非常に残念ですし、そして申し訳ないと思っています。

ゲームのほうですが、前半の立ち上がりから自分たちの展開や形に持っていくことができて、主導権をつかみながらゲームを進めていけたと思っているのですが、やはり肝心なゴールやフィニッシュに入るという部分で少し物足りなさが残った前半でした。こういう天候でしたので、少しシンプルにプレーしようという話もしている中で、一番最後のところでの一工夫があったり、もしかしたらもっと思い切りの良さがあれば違った結果になったのかなと思います。

ただ、前半の最後にPKがあった中でもスコアレスで折り返せたということはチャンスがまだあると思い、選手たちを後半へ送り出しました。後半も立ち上がりからまた同じように、特にいい形を一つ作れたのですが、やはりそういうところで決め切れなかったことが最終的に響いてしまったと思います。

サッカーですので、自分たちの時間帯に点を取れるかどうかは非常に大事なことで、今日のゲームであれば、こういう天候面も含めて、タイトな、それほどどちらも多くチャンスを作れない展開になるだろうと思っていた中で、数少ないチャンスを決めるか決めないか、そういう展開の中で京都さんは少ないチャンスを決めてきました。

やはりチャンスの数を増やしていく、そして自分たちの時間帯を増やしていく、そういうところにウェイトを置いて、選手たちとやっていくしかないと思っています。

どこかで4つ勝ってきたことが、僕自身も選手も含めて、ちょっとしたスキを生んでしまったことが、この結果になっているのかなという気もしています。そういう意味では、やってきたことを継続することに変わりはないのですが、やってきたことの密度、質、熱というものを、もう一度次のゲームに向けてしっかりと整えられるように準備をしていきたいと思います」

ーーどちらもシンプルにロングボールを蹴るという展開の中で、京都の両サイドのスピードのある選手への対応に苦労していたように思います。その対応を振り返っていかがでしょうか?
「前半に関してはそこまででもなかったと思いますが、特にウチの右サイドの対応では、少し後手に回った部分はあると思います。ただ、チーム全体の戦い方としては、前から重心をかけていくので、前の選手はかなりスタミナを消耗するようなやり方をしています。後ろでどう対処するのかという中で、カードの切り方については、後ろでの対処を考える交代カードよりも、より前へ自分たちが重心を高めながら戦っていけるカードを切っていこうと思っていました。

しかし、失点のシーンもそうだったと思うのですが、結局自分たちがボールをロストしたサイドから攻められた形でしたので、どちらかというと守備面での対応の問題以上に攻撃におけるボールの失い方が悪かったことで全体的に対応が後手に回ってしまったと思います。

ただ、こちらから追いかけて守備に入ったときは、そんなことはなかったと思います。切り替えが起きるところにおいて、相手にチャンスが生まれるようなボールの失い方になってしまったなと思っています。そのあたりのことは選手たちに、どうボールを運ぶかという話はしてきているのですが、あらためてわれわれの課題になってくると思います。その課題を解消できるようにまた継続してやっていきたいと思います」

 

■布部 陽功監督(京都)
ーーまずは試合の総括をお願いいたします。
「今日は大雨に近い状況にもかかわらず、応援に駆け付けてくれたサポーターの方々にお礼が言いたいです。ありがとうございました。今季はここまで連勝がなく、今日今季初の連勝を達成できたので、チームとして次のステップにいけるかなと思っています。町田さんのシンプルな最終ラインの背後へのパスでリズムを作れず、セカンドボールを拾われてピンチを迎えましたが、前半は最終ラインが踏ん張って守れたことが良かったことです。前半の終了間際のPKを決められなかったのですが、逆にハーフタイムにみんなで一つになってやろうと、後半はやってやろうじゃないかとチーム全員で話し合って、選手たちを送り出しました。

後半もロングボールが多かったのですが、セカンドボールを拾えて、交代で入った大黒がタイミング良く彼らしいゴールを決めてくれました。日頃、出場時間も少ない中でも、彼がシュート練習を繰り返しやった成果が今日の2得点に結び付きました。よくやってくれました。

ただいまの順位や状況を考えると、もっとやらないといけませんし、チームとしてももっと戦わないといけません。上位陣に付いていけるように、厳しい要求をしながら取り組んでいきたいと思います」

ーー大黒選手とハ・ソンミン選手を投入した狙いを教えてください。
「大黒が入る前もケヴィンの高さやエスクデロのパスからチャンスは作っていましたが、なかなか相手ディフェンスを完全に崩せてはいなかったので、大黒を投入して相手の裏を狙いたいと思いました。ソンミンにはセカンドボールの奪取を期待していました。二人とも素晴らしいプレーで期待に応えてくれました」

 

■FW 31 大黒 将志(京都)
点を決められるポジショニングはなんとなく分かる
「別にあまり何も考えずに、チャンスが来たら点を取ろうと、考えていたことはそれだけですね。いつもは出場時間が短過ぎたけど、今日は時間があったので一度はチャンスが来るだろうと思っていました。あとは良いパスをくれた味方のおかげです。一応今までいっぱい点を取ってきているので、点を決められるポジショニングはなんとなく分かるし。

1点目は(ハ・)ソンミンがシュートを打って、どこかにこぼれてくるかなと思っていたらいいところにこぼれてきました。ゴールは見えなかったですけど、ニアサイドにヘディングをすれば、GKが取りずらいのかなと思ったので、ニアを選択したら決まりました。2点目はワンタッチのほうが相手も止めにくそうでしたし、下も濡れていたのでしっかりとミートをしてコースに流し込みました。思い切り蹴らずにそういうことを意識していました。2点目は相手がクロスを被ったと思ったので、(岩崎)悠人のおかげです。今年はあまり試合に出ていないし、出ている時間が短いから点を取れていなくても焦りはなかったです。出れば結果を出せると思っています。これを続けていくだけですね」

 

■MF 5 吉野 恭平(京都)
ここから連勝を重ねていくことを目指す
「ボールが頭の上を通過していく時間が多かったので、流れをつかみ切れずにしんどかったのですが、途中で出た出場機会の少なかったオグリさんがあのように試合を決めてくれたことはチームにとって大きなことです。今季初の連勝でもあるので、これからもチームが波に乗っていけると思います。

オグリさん(大黒)はずっと練習からすごいシュートを決めていましたし、僕が言うのもおかしいですが、腐らずにいつでもチャンスが来たらやってやるという気持ちが伝わっていました。ベテラン選手がそういう姿勢でやってくれるので、年下の選手はそれに付いていかないといけません。チームとしてさらに良い循環に入っていくきっかけになるのかなと思います。

セカンドボールは基本的に拾われる場面が多かったと思います。拾われたあとはすぐに蹴られる展開が多かったので、流れはつかみづらくても抑えるべきところは抑えられていました。後半の途中からは拾えるようになったので、それは良かったと思います。初めて連勝をできましたし、プレーオフ圏内をまだまだ狙える位置だと思います。ここから連勝を重ねていくことを目指して頑張ります。

個人的にはセカンドボールを拾うことが大事だと思っていましたので、そこは納得がいっていないですが、球際の場面では僕がボールを奪った展開からトゥーさん(闘莉王)に預けて、そこから点が入る形だったので、それは良かったと思います。球際で負けないという気持ちで入ってそれが良い方向に行って良かったです」

 

■MF 13 岩崎 悠人(京都)
初の連勝でこれから乗っていける
「(2点目のアシストの場面について)後半の初めに縦への意識を持って入っていったので、相手は縦に来ることを予測して対応してきたのですが、切り返して、オグリさんが見えたので、クロスボールを入れました。難しいボールでしたが、オグリさんがうまく合わせて決めてくれました。

オグリさんはシュートセンスもありますし、ボールに合わせる技術も高いです。トレーニングでもあのような形でのゴールを決めているのですごいなと思います。

今までは苦しい戦いをしている中で、今季初の連勝を飾れたので、終わったあとのロッカールームも雰囲気が良かったですからもっと乗っていけるのかなと思います。とにかく今日の試合は失点をしなかったことが大きかったですね。

サイドの選手なので中に切り込んでシュートを打つことなどのイメージはありますが、今日はチャンスメークのプレーが多かったので、チャンスメークとフィニッシュのバランスをもっとうまく取りながらやっていきたいです」

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